藤戸竹喜 アイヌ最後の熊彫り職人(仮称)
《語り合う熊》2018年 個人蔵
アイヌ民族の彫りの技術を受け継ぎ、独自の木彫の世界を創造した藤戸竹喜(ふじとたけき・1934-2018)。北海道美幌町に生まれた藤戸は、熊彫りを生業としていた父の下で木彫を始め、1964年、30歳の時に阿寒湖畔にアトリエを構えて独立します。繊細さと野性味をあわせもつその作品は、いつしか土産物としての熊彫りを超越し、熊や狼、鹿、シャチなど、北海道に生息する動物たちの躍動感あふれる姿や、北に生きた先人たちの威厳ある姿を、臨場感豊かに表現しています。本展は、藤戸竹喜の生涯にわたる創作活動の軌跡を代表作約80点によってふりかえります。