商工業都市として発展してきた大阪は、東京や京都とは異なる独自の文化圏を形成し、個性的で優れた美術作品を生み出してきました。市民文化に支えられた近代大阪の美術は、江戸時代からの流れをくみつつ、伝統にとらわれない自由闊達な表現を花開かせました。
本展には、妖艶で頽廃的な作風で人気を博し、「悪魔派」と揶揄された北野恒富や、大阪における女性画家の先駆者で上村松園とも並び称された島成園をはじめ、明治から昭和に至る近代大阪で活躍した、50名以上の才能あふれる画家たちが集結します。東京や京都の画壇の陰に隠れて、その独自性が見えづらかった大阪の日本画に関する史上初めての大規模展覧会といえるでしょう。
島成園《祭りのよそおい》1913年、大阪中之島美術館
島成園《祭りのよそおい》
1913年、大阪中之島美術館
明治から昭和前期にかけて大阪で生まれた日本画に光をあてた本展には、大阪中之島美術館が長年かけて収集したコレクションと、全国から集めた優品とをあわせた約150点を出品(会期中、展示替えあり)。
※本展は、大阪中之島美術館で開催(1/21~4/2)の「開館1周年記念特別展 大阪の日本画」の巡回展です。内容は一部異なります。
中村貞以《失題》1921年、大阪中之島美術館
中村貞以《失題》
1921年、大阪中之島美術館
生田花朝《天神祭》1935年頃、大阪府立中之島図書館
生田花朝《天神祭》
1935年頃、大阪府立中之島図書館
平井直水《梅花孔雀図》1904年、大阪中之島美術館
平井直水《梅花孔雀図》
1904年、大阪中之島美術館
浪速の女性を表現した北野恒富(1880-1947/きたのつねとみ)、女性画家活躍の道を拓いた島成園(1892-1970/しませいえん)、大阪の文化をユーモラスに描いた菅楯彦(1878-1963/すがたてひこ)、新しい南画を主導した矢野橋村(1890-1965/やのきょうそん)、女性像にモダンな感覚を取り入れた中村貞以(1900-1982/なかむらていい)など。大阪の街で育まれた個性が、展示室を賑やかに彩ります。
北野恒富《五月雨》1938年、大阪中之島美術館[展示期間:5/16~6/11]
北野恒富《五月雨》
1938年、大阪中之島美術館[展示期間:5/16~6/11]
矢野橋村《不動窟》1951年、矢野一郎氏(愛媛県美術館寄託)[展示期間:5/16~6/11]
矢野橋村《不動窟》
1951年、矢野一郎氏(愛媛県美術館寄託)[展示期間:5/16~6/11]
中村貞以《朝》1932年、京都国立近代美術館[展示期間:4/15~5/14]
中村貞以《朝》
1932年、京都国立近代美術館[展示期間:4/15~5/14]
本展に登場する画家たちの中には、大阪での成功を目指して移り住んできた者も少なくありません。当時の大阪に暮らす人々がどのような画を求め、画家たちが大阪に惹きつけられたのはなぜなのか、大阪らしい作品が誕生した背景にも目を向けながら、その特色に迫ります。
北野恒富《宝恵籠》1931年頃、大阪府立中之島図書館
北野恒富《宝恵籠》
1931年頃、大阪府立中之島図書館
河邊青蘭《武陵桃源図》1908年、大阪中之島美術館
河邊青蘭《武陵桃源図》
1908年、大阪中之島美術館
菅楯彦《阪都四つ橋》1946年、鳥取県立博物館
菅楯彦《阪都四つ橋》
1946年、鳥取県立博物館
自分のスマホやタブレットが音声ガイド機に早変わり! 配信期間中なら、いつでもどこでも視聴OK。事前にアプリをダウンロードしてお楽しみください。
販売価格:650円(税込)
配信期間:2023年6月30日まで(予定)
所要時間:約35分
①アプリのダウンロード
アコースティガイド公式アプリ「聴く美術」をインストールしてください(無料)。
②ツアーを選択
アプリを立ち上げて「大阪の日本画」のツアーを選択。
③ガイドを購入
金額をタップして決済手続きをしてください。
④ガイドを利用
会場内では、作品の脇に掲出された同じ番号のガイドを選択し再生、ご自身のイヤホンもしくはヘッドホンでお楽しみください。
[チケット販売場所]
[リピーター割引]
当館1階でチケットを購入する際に、本展の入館記念券をご提示いただくと、前売料金(200円引き)で本展に再入館できます。