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助成番号
98_4_2_14
研究テーマ(和文)
鉄道と政府−日英鉄道の比較
研究テーマ(欧文)
Railway and Government - Anglo-Japanese Comparison -
研究代表者
氏名
カタカナ
ユザワ タケシ
漢 字
湯沢 威
ローマ字
Yuzawa, Takeshi
研究代表者年齢
57
研究期間
1998〜1999年
報告年度
1999年度
研究体制
共同研究
研究代表者所属機関・職名
学習院大学 経済学部・教授
※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。
 

歴史は繰り返すといわれるが、日本とイギリスでは、国有化と民営化が似たようなプロセスを経ることになった。すなわち、日本の鉄道事業は、まず国の事業としてはじめられたが、財政上の理由から民営の鉄道建設を認め、明治39年に主要鉄道が国有化されることになった。イギリスは最初から一貫して民営鉄道として発展してきたが、1921年に4大鉄道グループに統合され1947年に国有化されることになった。第2次世界大戦後は、日本、イギリスともに国有鉄道が国内の幹線路線を支配することになったが、次第にモータリゼーションの進展とともに、鉄道輸送需要は減少し、ともに経営悪化をきたすことになった。そこで行われたのが、民営化である。日本においては、1987年に旧国鉄の民営化が行われた。イギリスにおいては、1994年4月から民営化がスタートした。

 
市場経済主義、規制緩和策の推進という世界的潮流の中で、民営化が行われたが、鉄道企業を一般企業と同様の市場原理・競争原理で捉えてよいのだろうか。かつての民営鉄道時代に単に後戻りにはならないであろうか。また、日本とイギリスの鉄道を、政府とのかかわりで比較研究する場合には、イギリスの先進性、明治期における日本経済の後進性を考慮に入れなければならない。すなわち、後進国日本は近代技術を短時間に導入しなければならない運命にあり、政府の役割は必然的に大きかった。
 
ここで得られた結論は、第1に鉄道という産業特性を踏まえて、経営形態を考えなければならないということ、これは歴史的なプロセスをたどってみることから明らかである。そして、第2に国有化とか民営化とかは、形式的な問題に過ぎず、国有でも効率的な経営が行われる可能性があり、また民営化によってすべて問題が解決すかのように考えるわけには行かない。そして第3に上に指摘した鉄道の産業特性から、国有化にせよ、民営化にせよ、政府(地方自治体、利用者などを含め)が鉄道全体に対する監視を持続して行う必要がある。
 
 
 
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