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助成番号
97_4_1_26
研究テーマ(和文)
北越北線開通にともなう旅客流動の変化と地域開発への影響
研究テーマ(欧文)
Sustainabe development of newly constructed railway and the snowy depopulated region along the Hokuetsu Express Line in Niigata Prefecture
研究代表者
氏名
カタカナ
ノジリ ワタル
漢 字
野尻 亘
ローマ字
Nojiri, Wataru
研究代表者年齢
38
研究期間
1997〜1998年
報告年度
1999年度
研究体制
個人研究
研究代表者所属機関・職名
桃山学院大学 文学部・教授
※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。
 

交通ネットワークの再編成は大都市相互の結合性を高める傾向がある。一方で、人口の稀薄な周縁部のアクセシビリテイを弱めがちである。1997年に新潟県に開通した北越北線(北越急行)は、新潟県・地元市町村・JR東日本・民間企業の出資による第三セクターである。この鉄道は、(1)積雪、過疎に悩む中山間地の地元住民の交通の確保と地域振興と、(2)上越新幹線と北陸本線とを連絡するバイパス路線(首都圏と北陸圏の連絡幹線)という二つの機能を併せ持つ。しかし、この機能は相補的であると同時に、お互いに矛盾する一面を併せ持つのではないだろうか。そこで、報告者は北越北線が北陸広域レベルおよび、地元でどのように意識され、利用されているのかを分析した。北陸広域レベルについては、北陸の各大学の学生を、沿線地元からは小中学校の父母および小学生児童を対象にアンケート調査を実施した。

 

その結果、大学生および沿線地域住民にとって、旅行の際に多様な交通手段と、鉄道を含めて多様な経路選択が可能となっていること、鉄道の運賃、料金が高いという意識とダイヤに拘束されるという意識が強い。しかし、大学生は将来整備拡充すべき交通手段については意見が分散したが、沿線地域住民は一般の道路整備に強い関心をいだいている。また、大人が東京への交通手段として、北越北線を意識しているのに対して、児童は列車の車窓から見える眺望的景観や一人で外出できたことなど、開通への新鮮な意識とともに、日常の交通手段として意識していることが明らかとなった。これらの意識調査によって明らかとなった今後の鉄道のマーケティング方策については、具体的に提言した。

 
以上の分析から北陸地方ならびに沿線住民からの旅客誘致だけでは、今後も北越北線を持続的に維持していくためには十分であるとは言えない。そこで、沿線地域を持続的に発展させるためにも、沿線を目的地とする旅客需要を開拓しなければならない。このために、グリーン・ツーリズムやエコ・ツーリズムを沿線に導入する。中高年や初老の人々を対象とし、思い出のコレクションを集めたエコミュージアムをつくるなどの方法が有効なのではないか。その具体的な方法についても提言を行った。
 
 
 
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