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助成番号
97_3_2_15
研究テーマ(和文)
新たなツーリズムの創造において鉄道に求められる役割
研究テーマ(欧文)
Toward the Active Use of Railway for the Future Tourism
研究代表者
氏名
カタカナ
タケウチ カズヒコ
漢 字
武内 和彦
ローマ字
Takeuchi, Kazuhiko
研究代表者年齢
45
研究期間
1997〜1998年
報告年度
1998年度
研究体制
共同研究
研究代表者所属機関・職名
東京大学 大学院 農学生命科学研究科・教授
※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。
 

日本では観光行動が多様化しつつあり、自然環境豊かな地域への国内旅行の需要が高まってきている。しかし公共交通の不備な地域では、自動車の騒音や排気ガスによる環境破壊などの問題が生じつつある。今後新たなツーリズムを考えていく際には、地域資源の活用と環境保全の二つを同時に満たすことが求められる。本研究はこのようなツーリズムのあり方、そこのでの鉄道をはじめとした公共交通システムの果たす役割について検討を行うものである。そのために先進的な事例として有名なスイスのツェルマット村を分析し、わが国における適用可能性を検討した。モデル地域としては秋田県田沢湖町を選定した。

 

ツェルマット村では環境保全と歩行者の安全確保のため、一定エリアへの自動車の乗り入れを禁止し、電気自動車を導入している。この交通システムの導入によってツェルマット村はリゾート地としての価値を高めることに成功した。田沢湖町は観光資源の分布がリニアな形態であり、それらが既存の路線バス網によって比較的効率よく連絡されている。秋田新幹線による鉄道網との結節にも恵まれており、オンデマンド的な公共交通システムの導入に対するポテンシャルが高い地域である。

 
本研究を通して、わが国の観光地におけるオンデマンド方式の公共交通システム構築には高速・大量輸送を確保する鉄道の存在が重要であること、またシャトルバス、自動車、ローカル鉄道などの多様な交通手段を導入するだけでなく、それらの組み合わせと選択の機会を確保する必要があることが示唆された。しかし田沢湖町を含めた多くの観光地においては奥深くに自動車が入り込んでいることが一般的であり、新たな交通システムの導入には障害が多いことも考察された。今後はこれらの点に留意し、環境創造を実現するための取り組みを進めることが期待される。
 
 
 
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