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助成番号
96_2_1_11
研究テーマ(和文)
鉄道交通のもたらす社会・文化的効果に関する実証的研究 −新線敷設・新駅設置に伴う地域社会の構造変動−
研究テーマ(欧文)
A Sociological Study of the Interrelationship between Transport Network and Metroplitanization in the Tokyo Metropolitan Region
研究代表者
氏名
カタカナ
ゴトウ ノリアキ
漢 字
後藤 範章
ローマ字
Goto, Noriaki
研究代表者年齢
39
研究期間
1996〜1997年
報告年度
1997年度
研究体制
個人研究
研究代表者所属機関・職名
日本大学 文理学部・専任講師
※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。
 

東京の都心部を核とする地域的分業体系の中に、何らかの形で取り込まれている同じ大都市周辺の諸地域の中でも、フィジカルな「交通」網を介しての人々の中心都市との結びつきのあり方、従って、ソーシャルな「交通」関係(社会的交流)のあり方の違いが、各地域社会の社会構造の違いとなって現れる。中心都市との人々の日常生活上の結びつきの度合いは、それへの地理的・空間的距離よりも時間距離(中心都市へのアクセシビリティの高低)と関数関係にあり、「交通」条件の変容によるその結びつきのあり方の変化は、地域社会構造の変動に連動していく。ことに大都市圏においては、フィジカルな鉄道交通ネットワークの変容が、地域の中心都市との結びつきのあり方を変えさせ、そのことによって、人口の配置や土地利用のあり方といったサブ・ソーシャルな都市の空間構造ばかりか、社会関係のあり方、集団や階層関係、地域住民の生活構造といったソーシャルな、広い意味での社会・生活構造までをも変動させていくことにつながっていく。

 
1985年9月に通勤新線として開通した旧国鉄(現JR東日本)埼京線の新設区間、分けても、市域内に初めて鉄道が敷設され3駅が開設された戸田市は、以上のような仮説を検証するのにまさに格好な調査対象地域となる。何故ならば、鉄道交通の利便性が悪く“陸の孤島”とまで称されていた同市が、埼京線開通を契機に、東京の中心部へ通勤・通学する人口を大量に受け入れることで人口が急増し、東京の郊外住宅地としての性格を強めるようになっているからである。すでに1986年から調査活動を積み重ねてきたが、今回、1995年度に行った第4次調査(サンプリング調査=マスサーヴェイ)のデータを子細に分析し、同調査の回答者の中から選定した17名を対象に、極めて詳細なケース・インタビューを実施した。この結果、埼京線の敷設・開通と新駅の設置に伴う戸田市の地域社会構造変動の方向性、すなわち埼京線開通に伴う交通ネットワークの変容にとって、東京の都心部(中心都市)への時間距離が短縮してAccessibilityが高まり、このことが中心都市への通勤者を中心とした流入人口を増大させる(=Mobilityの高まり)とともに、人々の日常生活圏が広がって(=Regionalizationの進展)、地域社会構造に関わるSolidarityが解体し再編される、というプロセスとメカニズムがかなりの程度明らかとなった。
 
 
 
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