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助成番号
96_1_2_21
研究テーマ(和文)
高架鉄道の車窓景観の特性と都市イメージ構造の中での役割
研究テーマ(欧文)
Study on the characteristics of landscape experienced from the elevated railway train window and their effects on the structure of the city image
研究代表者
氏名
カタカナ
ナカムラ ヨシオ
漢 字
中村 良夫
ローマ字
Nakamura, Yoshio
研究代表者年齢
57
研究期間
1996〜1998年
報告年度
1998年度
研究体制
共同研究
研究代表者所属機関・職名
東京工業大学 社会理工学研究科 社会工学専攻・教授
※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。
 

本研究は高架鉄道車窓風景の成り立ちを捉え、その特徴を明らかにすることを目的としている。

 

鉄道車窓風景に関する既往研究の多くでは、列車内から識別される物理的視対象の種類や内容が主な研究対象とされ、鉄道を通じて体験される鉄道車窓風景と、徒歩等他の方法により体験される鉄道沿線の視環境との区別は殆ど行われてこなかった。

 
そこで、本研究ではまず、明治、大正期の鉄道敷設前後における鉄道車窓風景の記述資料と鉄道によらない沿線風景の記述資料の比較分析を行い、鉄道車窓風景の特徴を明らかにした。その結果、車窓風景における環境の認識・表現の特徴として(1)情報の縮約と線状的つながり、(2)細部視覚情報から風景を体制化する思考過程、(3)鉄道施設を通じた広域地理情報の再編集を挙げる事ができた。ここから、車窓風景を、従来認識されていた空間・景観・風景の枠組みが一度解体され、路線に沿って再構造化されることで獲得された風景として理解し、地域空間の構成と鉄道軌道という枠組みが異なるもの同士の重なりの中で初めて捉えられる異種混交的性質に言及した。
 
次に、前章での鉄道車窓風景の分析結果を念頭におき、高架鉄道車窓風景及び鉄道車窓風景の記述資料の比較分析を行い、高架鉄道車窓風景の特徴を明らかにした。非高架線である総武線及び外房線、また、高架線である京葉線の比較の結果、高架鉄道車窓風景の特徴として(1)情報の縮約と線状的つながりに関しては、情報の線状性は保たれているものの、情報は殆ど縮約されていないこと、(2)細部視覚情報から風景を体制化する思考過程、(3)鉄道施設を通じた広域地理情報の再編集については、描写例が殆どなく、また、結果として生成される車窓風景が地域空間の成り立ちから大きく乖離したものでは無い、という3点を挙げた。これより、高架鉄道車窓風景が沿線空間の成り立ちを反映することによって特徴付けられていることに言及した。
 
 
 
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