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助成番号
95_2_12
研究テーマ(和文)
居住空間の快適性を考慮した鉄道車両の車内レイアウトの最適化に関する研究
研究テーマ(欧文)
Study on Optimization of Seat Arrangemenrt in Railway Vehicles Considering Passenger Comfort
研究代表者
氏名
カタカナ
スダ ヨシヒロ
漢 字
須田 義大
ローマ字
Suda, Yoshihiro
研究代表者年齢
35
研究期間
1995〜1996年
報告年度
1996年度
研究体制
共同研究
研究代表者所属機関・職名
東京大学 生産技術研究所・助教授
※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。
 

鉄道車両の車内レイアウトの検討は、限られた車両空間の中で、輸送という本来の機能を持たせながら、乗客の快適性をできるだけ高めて鉄道輸送の質を向上させるという観点から重要な事柄である。従来、通勤用の車両については、大量輸送への要求が厳しく、居住空間の快適性の観点からの試みは少ないように思われる。一方、諸外国には、我が国にはないユニークな座席配置も見ることができる。例えば、ボックスシートの代わりに背中合わせに着席する方式である。このような新たな方法をも考慮して、社内レイアウトの最適化を試みるためには、客観的な評価方法が必要となる。ところが、従来の通勤車両に関する座席配置の議論では、主観的な論点で行われることが多かった様に思われる。

 
そこで本研究では、居住空間における乗客の快適性の観点から座席配置を客観的に評価する方法を提案する。この評価方法では、快適性に影響を及ぼすと考えられる乗客の乗車時間と混雑率を入力とし、さらに、評価については、乗客の快適性だけではなく、実際に重要な乗降の容易性(降車に要する時間)の観点からも評価できるものである。実物大鉄道車両のモックアップを用いた実験により、汎用性のある評価方法を確立し、それを基に、通勤輸送列車の性格に応じた好ましい座席配置について提言を行った。
 
提案する評価法では、シミュレーションによる値を用いることにより、既存の座席配置はもちろんのこと、現在存在しない座席配置に対しても新たに大がかりな実験をすることなく評価を行うことができる。また評価法は従来困難であった扉数の違う座席配置を直接比較できる特徴を持っている。実物大モックアップを用いた実験により得られたデータから、提案した評価式を同定した。評価式を用いた計算機シミュレーションによる実験による着席順及び降車時分は実験結果と似た傾向を示し、評価式の妥当性を確認した。
 
提案した評価法を用いて、実験を行った座席配置に対して評価を行い、通勤輸送車両の最適な座席配置について考察を行った。乗降性と快適性の2面からの評価を示し、乗車時間に応じた有効な座席配置を明らかにした。乗車時間が短いときは、乗客はアクセスの容易性を重視するため、6扉車両で乗降性に優れた背中合わせに着席するクロスシートの評価が一番良い。乗車時間の長いときは、座席の多い4扉車両が好ましい。快適性の観点からは座席数が多いセミボックスタイプの評価が最もよいが、路線の性格によっては、座席快適性と乗降容易性のバランスを考慮して、ボックスシートとロングシートをそれぞれ片側ずつに配置したハーフボックスタイプや、ロングシート並みの乗降時間で快適性の評価がよい背中合わせに着席するクロスシートタイプも好ましい配置である。また、乗降時間を最優先するのであればオールロングシートも考えられる。
 
 
 
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