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助成番号
95_1_8
研究テーマ(和文)
極東地域におけるシベリア鉄道建設をめぐって
研究テーマ(欧文)
On the Trans Siberian railway in the Far East
研究代表者
氏名
カタカナ
ヒロセ タケオ
漢 字
広瀬 健夫
ローマ字
Hirose, Takeo
研究代表者年齢
62
研究期間
1995〜1996年
報告年度
1996年度
研究体制
個人研究
研究代表者所属機関・職名
信州大学 人文学部・教授
※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。
 

1880年代の極東地域は、スエズ運河の開通など運輸手段が進歩して、列強がより強く介入しうるようになって緊張がたかまっていた。そのような情勢のなかで、ロシアも極東ロシアとヨーロッパロシアを鉄道で結ぶことによりこれに対抗しようとした。1891年に開始されるこのシベリア鉄道の建設は、当時の日本の政府首脳には大変なショックだった。

 
この頃、山県有明や青木周蔵は、ロシアの脅威、とくにシベリア鉄道建設によって極東ロシアが強化されることの脅威を強調し、それに備えて朝鮮に日本の勢力をのばしておくこと、日本の軍備強化に努力すべきことを述べた意見書を政府首脳の間に回覧している。
 
日清戦争にもこのような日本政府首脳の考えが現れているだろう。
 
シベリア鉄道は、当初の計画ではロシア領内を通ることになっていたが、技術的難点があって、中国領満州を通過することとし、清国にこれを認めさせた。満州でのロシアによる鉄道建設は地域住人の怒りをまねき、住民による鉄道破壊が起こった。これをおさえるためにロシア軍が投入されたが、これに日本など列強が抗議し、日露対立が強まった。日本は、ロシアの勢力が満州で強くなり、さらに朝鮮に伸びて来ることを恐れて、まだシベリア鉄道が未完成で、ヨーロッパロシアから軍隊が迅速に送ることができないことに期待をかけて戦争にふみこんだ。
 
シベリア鉄道は、日本の近代、日清、日露戦争のあり方と深いつながりがあると言えよう。
 
 
 
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