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年度別索引 >2009年  人間国宝 鹿児島寿蔵展

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人間国宝 鹿児島寿蔵展
 
東京ステーションギャラリーは東京駅丸の内(赤煉瓦)駅舎の保存・復原工事に伴い、現在休館をしています
が、2012年(予定)の再オープンに向けて準備をすすめています。休館中、決まった活動の場はありませんが、旧新橋停車場 鉄道歴史展示室を中心として、企画展を開催しながら活動を継続しています。
 
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展覧会概要
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「紙塑人形」とは   鹿児島成恵

  和紙の原料となる、楮、三椏等の長短の繊維をもととし、パルプ、糊料、充填材として粘土、桐粉、胡粉等を一定の分量と順序によって臼で搗きます。20〜30時間の搗練ののち、なお手で捏ね上げて出来上がった素材を「紙塑」と言います。
  「紙塑」という名称は、鹿児島寿蔵が「こわれない、色の落ちない人形を」という目的で研究の末、昭和8年完成した素材に命名したものです。
  この「紙塑」をもって作った人形の生地を時間をかけて徐々に乾燥させ、鉄鑢、サンドペーパー等で仕上げをした上で1時間ほど加熱乾燥をし、なお鑢、サンドペーパーで肌を整えながら胡粉を塗り生地を仕上げます。
  次に生漉き楮紙で2〜3回以上の地貼りをし、その上に寿染の和紙で、色分けの下貼り上貼りを繰り返し、都合7〜10回、箆で磨きながら貼り上げます。和紙は小さくちぎって毳を重ねるように貼ると、どんな曲面でも一枚の紙を貼ったようになります。その上に寿染の金銀砂子、鳥の子紙、漆紙、雁皮紙等を以って種々の文様を貼り、なおその上を種々の截金をもって飾り、礬水をかけて箆で磨くことを繰り返して仕上げます。
  顔、手足等の素肌にあたる所は、奉書、典具帖、内山紙等を幾重にも貼り重ね、礬水をかけては箆で磨くことを繰り返します。箆は黄楊で作ります。
  筆と絵具を使って仕上げるのは面相(目、眉、唇)のみと言ってよく、その面相も表情によっては和紙を貼って仕上げることもあります。ただし昭和40年前後より前の作品には、文様の一部に金泥の線を筆で描き入れたものがあります。
  ボディーの仕様には、このほか、木彫胎、木芯胎等があります。桐材等の芯の上に「紙塑」をもってモデリングし、その上を寿染和紙で貼り上げたものです。また、寿染和紙で貼り分けず、生漉楮紙、麻紙等で白く貼り上げ、淡彩で仕上げるものもあります。
  寿染和紙とは、堅牢な化学染料で自家染めした和紙を言い、退色、滲色せぬように充分研究を重ねたもので耐久力にすぐれています。
  以上のように、形成する素材も、外面の加色文様等も、ほとんどすべてを和紙によって作り上げた人形が、鹿児島寿蔵の創始した「紙塑人形」です。

                                           (鹿児島寿蔵長女・紙塑人形作家)

 
 
 
 
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