古馬牧(こめまき)の人形浄瑠璃は、現在群馬県月夜野町で伝承されている三人遣いの人形芝居です。元禄年間(江戸時代)に、伊勢参りに出かけた村の古老が人形浄瑠璃に魅了され、人形のカシラ数体を買い求めて帰ったのが、その起源とされています。その後明治8年に上方の人形遣いである吉田勘十が村に滞在した際に、本格的な人形の遣い方などを詳しく伝授されたといわれています。記録類は焼失していますが、舞台の引き幕に吉田家の家紋である十六菊が染め出されていることなどから、勘十との関わりは深かったと推測されています。農作業ができない雨の日だけ練習したことから、「雨降り人形」とも呼ばれていたそうです。
人形のカシラがかなり大き目であることが特色のひとつで、現在吉田座では三十体以上のカシラを有しています。
※町村合併により古馬牧村が月夜野町下牧となったので、下牧人形芝居保存会と称しています。
演目:『御所桜堀川夜討』 弁慶上使の段
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