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西金砂田楽
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磯出大祭礼は、茨城県久慈郡にある西金砂神社と東金砂神社が72年ごとの未の年に執行している祭りです。東西両金砂神社がそれぞれ氏子500人以上の大行列を従え日立市水木浜に出社し、ご神体を海水で浄めて神の心を慰め、五穀豊穣と民心の安定、社会の平和を祈願する大祭礼の行程は、往復約75kmに及び、行列は6泊7日をかけて進むという非常にスケールの大きなもの。その歴史も古く、仁寿元年(851年)に第1回を執行して以来、一度も途絶えることなく続けられてきたという長い伝統を誇る祭典です。

大小祭礼でのみ披露奉納される貴重な金砂田楽

大祭礼の途中数箇所では、祭事や国選択民俗無形文化財・茨城県指定無形民俗文化財の金砂田楽(西金砂神社田楽舞・東金砂神社田楽舞)が披露奉納されます。大祭礼は、「金砂の大田楽」とも呼ばれ、田楽舞は祭りの大きなみどころとなっています。金砂田楽は、この大祭礼と6年ごとに行われる小祭礼でのみ奉納されるもので、今回の公演には西金砂田楽が出演。今年3月に執り行われた第17回目大祭礼で、見事な舞を見せた田楽師たちが古式ゆかしい舞を披露してくれました。

※次回の第198回小祭礼は、平成21年に執行される予定です。

四段から構成される、いにしえの故事にちなんだ舞

今回の上演されたのは、西金砂神社に伝承されている田楽・全四段。

第一段は、天孫降臨の故事にちなんだ「四方固め」。猿田彦命の面をつけた田楽師が、東・北・西・南の順に舞い、四方を固めて天下泰平を祈ります。

第二段は、「獅子舞」。笑の面が獅子を扱うさまは、大国主命が武を用いずに神徳によって国を統治したことを表しています。獅子が這い回る姿は牛が田をかく仕草(代掻き)で、田によい霊力をこめる呪術に由来し田楽の重要な要素となっています。

第三段は、「種蒔き」。蓮葉笠をかぶり、びんざさらやじゃらすこ、鉾幣を持って種を蒔く仕草をし、田の精霊を魅惑し五穀豊穣を祈ります。

第四段は、「一本高足」。冬の間に眠っていた霊気を春によびさまし、豊作をもたらす新しい生命力を甦らせる呪術的な舞。棒に飛び乗って跳ねる所作が特徴です。

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第一段「四方固め」
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第二段「獅子舞」
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第三段「種蒔き」
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第四段「一本高足」


プロフィール
西金砂神社田楽舞保存会には現在18名が所属、10代から70代までと幅広い世代のメンバーで構成されています。代表を務める西金砂神社の宮司である中嶋又實さんを中心に定期的に練習を重ね、歴史ある田楽舞を伝承する活動に励まれています。 image
中嶋又實宮司氏

特色
田楽は、平安時代から行われた民間の舞踊で、田植えのときに笛・太鼓を鳴らして歌い舞ったものです。保延5(1139)年頃から始まったとされる金砂田楽は、その起源から様ざまな要素が加わり、今の独特な芸態となったと考えられています。特に、面をつけて舞うことは他の田楽には見られないユニークな特徴として知られています。

お客様の声

気軽に伝統芸能を体験できるのはすばらしい
image宮下雅浩さん、ダニエラ・カーギーさん
スイスから昨日着いたばかりというダニエラさんの印象は、「面をつけて舞う点がユニークで、新鮮に感じました」。宮下さんは、「以前から興味のあった伝統芸能に触れることができてよかった。こんな風に気軽に駅構内で体験できるのは、とてもいいことですね」と感想を話してくださいました。

 
 
 
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