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財団が助成する交通関係の調査及び研究の成果を論文要旨でご紹介しています。 |
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助成番号 |
99_4_1_5 |
研究テーマ(和文)
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21世紀の街づくりと鉄道
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研究テーマ(欧文)
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City Planning and Railway in the 21st Century |
研究代表者
氏名 |
カタカナ |
ツナシマ シゲル |
漢 字 |
綱島 滋 |
ローマ字 |
Tsunashima, Shigeru |
研究代表者年齢 |
53
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研究期間 |
1999〜2001年
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報告年度 |
2001年度 |
研究体制 |
個人研究 |
研究代表者所属機関・職名 |
名古屋大学 大学院 工学研究科・教授 |
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※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。 |
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日本の地方都市において、モータリゼーションの進行とともに、公共交通の重要性が無視され、既存の市街地が見捨てられ破壊されつつある。自家用車が普及し、公共交通の利用に便利な街を維持することが不可能になったのは、道路の建設とともに無秩序に市街地が拡散することを許したためではないか。すなわち、土地利用に対する規制、あるいは見通しが不十分だったことにあるのではないか。 |
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このことを確認するため、モータリゼーションで先行し、拡散型の市街地構造をもつ北米都市と日本の中規模都市を視察した。その結果、ヨーロッパに限らず、北米でも公共交通重視への転換指向が主流となっていることが実感された。一方、日本の地方都市では、行政から見捨てられた公共交通の姿が目に写った。また、視察で印象に残ったものは、歩道橋や、地下鉄、駅のホームへの長い階段を苦労して歩く高齢者、一方、駅前や商店街に直接、車で乗り付ける若者であった。
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このような、自動車交通の弊害を理論的に示すため、簡単な道路交通モデルにより、道路交通の物理的限界を求めた。求心構造をもつ大規模都市における流入限界、拡散構造の中規模都市における運行限界、大規模施設における滞留限界を指摘した。比較的高密度な日本の中規模都市では、自家用車交通がその過剰な空間占有によって生活空間に弊害を生じること、一方、鉄軌道交通を導入した場合、優れた空間環境の都市構造が可能であることを確認した。 |