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財団が助成する交通関係の調査及び研究の成果を論文要旨でご紹介しています。 |
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助成番号 |
99_3_1_4 |
研究テーマ(和文)
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鉄道事業における新たな料金改革の方向性 |
研究テーマ(欧文)
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Taword New Price Regulation Reform in Raleway |
研究代表者
氏名 |
カタカナ |
イデ ヒデキ
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漢 字 |
井手 秀樹 |
ローマ字 |
Ide, Hideki
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研究代表者年齢 |
49 |
研究期間 |
1999〜2000年 |
報告年度 |
2000年度
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研究体制 |
共同研究
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研究代表者所属機関・職名 |
慶応義塾大学 商学部・教授 |
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※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。 |
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公共料金の理論、諸外国の料金改革の理論と実際、わが国の鉄道事業をはじめとする公共料金の改革と今後の方向性について体系的にまとめ、公共料金政策の運用のあり方等について提言したものである。今後、プライスキャップ規制が導入される際のいくつかの論点をまとめておく。
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(1)利益規制の回避わが国では料金規制の改革により、料金値下げの場合、その原資の配分について事業者の自主性が認められるようになった事業がある。このことは従来の利益規制の緩和を意味している。PC規制下では想定された物価上昇率や生産性向上率と現実の動きの差によって、年によっては高い利益標準となる可能性もあるが、これまでの制度改正の流れを踏まえると、新たな利益規制とならないように留意する必要がある。 |
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(2)事業者インセンティブの確保、PC運用ルール透明化の必要性 費用計画は中長期にわたって策定されるものもあるため、頻繁なフォーミュラ改定は本来の趣旨である企業のコスト削減インセンティブを阻害することに加え、規制コストの削減の趣旨にも反する。事業者のインセンティブを阻害するような制度設計は避けるべき。特に、X項設定に際しての政治介入など歪んだ運用がされないように、予め透明な運用ルールを取り決めておくことが必要。 |
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(3)過剰規制の排除 本来PC制度は経済一般の費用上昇の範囲内に自社の費用上昇を抑制するという意味で、社会契約的な制度であって、規制当局の介入は最小限に抑えられるべきである。例えば、規制当局は指標となる物価上昇率の選択やサービス水準規制のみに関与し、X項目については企業が自主的に宣言するような制度が考えられるべき。 |
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(4)料金リバランスの自由度確保 わが国では料金規制の緩和により、従来の認可制から届出制へと移行し、事業者の料金設定の自由度は高められる傾向にある。このような新制度下で確保された料金設定の弾力化に関するメリットをPC制度下でより高めるためには、料金種間のリバランスの自由度が高める必要がある。 |
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(5)料金原価チェックの廃止 料金がプライスキャップの範囲内にあれば規制分野と非規制の分野との間で不当な内部補助は行われていないとみなすことができる。したがって、実績収支区分などの情報開示は不要。 |