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財団が助成する交通関係の調査及び研究の成果を論文要旨でご紹介しています。 |
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助成番号 |
98_4_2_17 |
研究テーマ(和文)
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鉄道の開通が、地域経済、生活文化に与えた影響の分析 |
研究代表者
氏名 |
カタカナ |
カトウ ヨウイチ |
漢 字 |
加藤 要一 |
ローマ字 |
Kato, Youichi |
研究代表者年齢 |
31 |
研究期間 |
1998〜2000年 |
報告年度 |
1999年度 |
研究体制 |
個人研究 |
研究代表者所属機関・職名 |
九州産業大学 経済学部・講師 |
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※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。 |
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戦前期に、初めて鉄道が開通した時、鉄道の開通がその沿線の地域経済や、住民の生活文化に与えた影響を、歴史的・総合的に分析することが、本研究の目的である。 |
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この研究において、山梨県と長野県を取り上げる理由は、次の通りである。この両県は周囲を山脈で囲まれていて、鉄道開通以前には封建的経済をもっていた。県外との交通路としては峻険な陸路か、河川舟運しかなく、交通不便のため、輸送費用や取引費用が高かった。そのため、この地域への鉄道開通の影響は劇的であり、その影響も計測しやすいと考えたからである。 |
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鉄道開通は、直接的には住民の消費生活を変え、間接的には鉄道開通による経済的条件の変化によって、出稼ぎなどの労働移動、県民の生産活動、商業活動などの経済活動を変えた。いずれにせよ、鉄道の開通は地域の住民生活を大きく変えていったと考えられる。 |
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具体的には、(1)山梨県と域外との物資流通の変化の把握、(2)山梨県の輸送費用と物価の変化の把握、(3)商業戸数・人口の割合の変化の把握、(4)寄留統計によって労働移動の変化の把握、(5)相対物価の変化の把握など、数値データと、当時の新聞などの実状を示す文献資料を組み合わせることにより、鉄道開通が地域経済や生活文化に与えた影響の実態を浮かび上がらせた。 |