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財団が助成する交通関係の調査及び研究の成果を論文要旨でご紹介しています。 |
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助成番号 |
97_2_2_13 |
研究テーマ(和文)
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鉄道施設での高齢者の転倒事故予防に関する研究 |
研究テーマ(欧文)
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How to prevent old people's fall accident in railroad facility |
研究代表者
氏名 |
カタカナ |
ムトウ ヨシテル |
漢 字 |
武藤 芳照 |
ローマ字 |
Mutoh, Yoshiteru |
研究代表者年齢 |
46 |
研究期間 |
1997〜1998年 |
報告年度 |
1998年度 |
研究体制 |
共同研究 |
研究代表者所属機関・職名 |
東京大学 大学院 教育学研究科 身体教育学・教授 |
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※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。 |
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【目的】 |
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本研究は、1)高齢者の転倒の環境的要因及び傷害状況を明らかにすること、2)高齢者の歩行及び転倒回避能力の測定・評価法の開発を目的とした。 |
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【方法】 |
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研究1.:高齢者の転倒の環境的要因及び傷害状況の調査 |
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高齢者の転倒事例を収集し、その発生状況を検討するために質問紙「転倒チェックリスト」(質問32項、全8頁)を作成した。対象として、雑誌『暮らしの手帖』に公示をし(平成9年9月)、同意を得た読者に質問紙を郵送し、それを回収した。さらに平成9年4月−12月の期間に転倒したために東京厚生年金病院整形外科外来を訪れた患者に対しても実施した。本研究の対象となったのは296名であった。 |
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研究2.:高齢者の歩行及び転倒回避能力測定の評価法の開発 |
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平成9年10月17−19日の期間に長野県A村で体型・健脚度測定、転倒事故に関する調査及び整形外科医による膝・腰の検診を実施した。対象は、村内在住で同年度の住民検診を受診した55歳以上の中高年171名(男58、女113)であった。また、血液及び骨塩量のデータは住民検診時の結果を採用した。 |
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【結果と考察】 |
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1)高齢者の転倒事故は、普通に歩いている時に発生する例が多く、引っかかったり、つまずいたりして前方や後方、側方に転倒し、骨折、打撲、切創、擦過創等を膝、手、頸部、手関節等に生じる例が多いことが示された。鉄道施設内における電車とホームの隙間や踏切の凹凸、階段等の一般的に注意を払われる場所だけでなく、長い連絡路やホームの些細な凹凸や障害物に対する点検及び改善、事前アナウンスが重要だと考えられた。 |
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2)よく転倒する高齢者の身体特性として、「身長に対して体重が重く、速く歩く能力が弱く、歩幅が小さく、HDLコレステロールが低く、動脈硬化指数が高い」傾向が明らかになった。 |
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3)10m全力歩行、最大−歩幅、40cm踏台昇降の「健脚度」は、転倒回避能力の測定・評価法として有用であることが示された。 |