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財団が助成する交通関係の調査及び研究の成果を論文要旨でご紹介しています。 |
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助成番号 |
96_2_2_11 |
研究テーマ(和文)
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交通事業計画における住民関与の実状とあり方−鉄道建設・改良事業計画を例に− |
研究テーマ(欧文)
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A Survey and Analysis of Public Involvement in Transportation Construction Project |
研究代表者
氏名 |
カタカナ |
カトウ ヒロノリ |
漢 字 |
加藤 浩徳 |
ローマ字 |
Kato, Hironori |
研究代表者年齢 |
25 |
研究期間 |
1996〜1997年 |
報告年度 |
1997年度 |
研究体制 |
共同研究 |
研究代表者所属機関・職名 |
東京大学 工学部・助手 |
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※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。 |
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インフラ整備事業における住民関与に関して、 |
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1. 各種事業において関連制度を規定する我が国の法制度の整理と比較 |
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2. イギリス及びドイツにおける道路整備事業の計画策定手続の実態調査・分析 |
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3. 我が国の交通設備事業の計画策定・実施段階における交渉プロセスの事例調査・分析を行った。その結果、以下のような点が明らかとなった。 |
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(1)住民関与の手続きに関する制度は、事業の特性に大きく影響を受けること |
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(2)住民の計画段階への関与に対して、都市部に建設されるようなインフラについては十分な法規定がなされているが、そうでない地域に対しては不十分であること、 |
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(3)イギリスでは、合意の形成に多少の時間がかかっても、市民の計画へ参画できる権利を重視し、市民主導型の計画策定手続きを踏んでいること |
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(4)イギリスの公聴会におけるインスペクター制度は、交渉時における調整機能を発揮しうる有用な制度であること |
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(5)ドイツにおいては近年、計画手続きの簡素化によって、計画に要する時間を短縮しようという傾向にあること |
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(6)ドイツの最近の変化は、効率的な社会を好む文化的な背景があると思われること |
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(7)計画主体の住民関与に対する積極性により、計画主体の行動を1)住民関与に終止積極的、2)住民関与に終止消極的、3)計画の初期段階では消極的だが、住民からの反対運動が激しくなると積極的に転向、という3パターンに分類した。 |
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(8)反対住民は、まず町内会などの小地域組織を形成し、自らの主張を行う。そして、個々の小地域組織は、計画主体が住民関与へ消極的であれば、他の小地域組織と統合し時間とともに成長して統合組織を形成する。だが、統合組織は最終的には分裂し、計画主体との個別の交渉に応じるようになる。 |
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(9)インフラ設備事業計画における、地元自治体の役割としては、行政機関として住民の計画主体への意見提出窓口になるというものと、一つの組織として住民と計画主体の間に立ち調整を行うものとがある。 |