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財団が助成する交通関係の調査及び研究の成果を論文要旨でご紹介しています。 |
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助成番号 |
95_1_5 |
研究テーマ(和文)
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駅構内の案内表示に関する実験的研究 |
研究テーマ(欧文)
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On the legibility of direction boards in railway station |
研究代表者
氏名 |
カタカナ |
オイリ マサアキ |
漢 字 |
尾入 正哲 |
ローマ字 |
Oiri, Masaaki |
研究代表者年齢 |
37 |
研究期間 |
1995〜1996年 |
報告年度 |
1996年度 |
研究体制 |
個人研究 |
研究代表者所属機関・職名 |
京都大学 大学院 文学研究科・助手 |
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※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。 |
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駅構内には、サイン・標識など、さまざまな視覚的表示があり、乗客の案内・誘導に用いられている。駅は不特定多数の乗客が利用する施設であることから、人間の視覚的・行動的特性をふまえた表示のデザインが、特に求められる空間であるといえる。また現代では、都市部の駅は単なる列車の乗降場所というだけでなく、商業施設・公共施設をも含んだ複合体として機能しており、駅の利用形態は従来に比べて多様なものになっている。この意味でも、案内表示を誰にでもわかりやすいものにする必要性は高まっている。 |
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本研究では実験室内で、さまざまな案内表示をコンピュータ画像により瞬間提示し、そこから見てとれる情報について被験者に報告させた。短時間の表示でも、多くの正確な情報が得られる案内表示が優れていることになる。案内表示として見やすいものと、見にくいものとを分類し、見やすさに関する要因を抽出した。 |
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今回の研究で内容が伝わりやすく、主観的にもわかりやすいと評価された表示の多くは単純な、少ない情報しか持っていないものである。情報が少ない表示の方が認識率が高くなるのは、ある意味で当然のことではあるが、見やすい表示を考える上では、「単純さ」というのは重要な原則になりうる。また、方向を示す矢印の使用には注意が必要なこと、観察者が見慣れた表示の形式を用いるべきこと、絵記号やアイコンの使用は常識的なものに限るべきこと、周辺の広告が表示板の目立ちやすさを損ねていること、色の使用は目立ちやすさを主眼とすべきことなどが指摘された。 |