 |
財団が助成する交通関係の調査及び研究の成果を論文要旨でご紹介しています。 |
|
|
|
|
助成番号 |
95_1_2 |
研究テーマ(和文)
|
情報化の進展と旅行需要構造変化−鉄道利用の旅行はどう変化する− |
研究テーマ(欧文)
|
The Changing Structure of Tourism in Information-driven Society |
研究代表者
氏名 |
カタカナ |
カジハラ ヨシオ |
漢 字 |
梶原 禎夫 |
ローマ字 |
Kajihara, Yoshio |
研究代表者年齢 |
61 |
研究期間 |
1995〜1996年 |
報告年度 |
1996年度 |
研究体制 |
個人研究 |
研究代表者所属機関・職名 |
長崎大学 経済学部・教授 |
|
|
※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。 |
|
|
1.情報社会は、意思決定における信頼性の高い広範囲・新鮮情報利用が推進されると同時に、意思決定のための分析力と危険負担力の高まりを基礎に、社会が創造性を高め、革新的になることを意味している。旅は元来、未知の自然や文化と接触し、健康や活動力を養うものであるが、近年における進展する情報化社会の中にあって、旅は新しい世界との出会いを求め、創造力を高めるという色彩を強める傾向にある。旅の目的は単なる未知の世界との出会いを求めるだけでなく、創造力の強化、さらに創造のための環境を求めるということになると、人の輸送空間は、これまで追求されてきた快適性能だけではなく、創造の空間としての価値が重要性を高めてくる。 |
|
2.環境、エネルギー、安全性、定時性の面で、鉄道による輸送は自動車による輸送より優れているといわれている。今後は、自動車による輸送から、鉄道による輸送にシフトさせる政策の社会的重要性も高まるという条件下で、鉄道による輸送空間は、走行の安定性が高く、利用者の疲労が少ないことと関係して、創造の空間としてより高い価値をもつ資質をもつであろう。 |
|
3.ここ2〜3年の間、国内遠距離旅行が減退しつつある。旅行需要構造のこのような変化は、円高による国内旅行需要の海外へのシフトと単にみるべきではなく、国内観光施設が、価格への反応を高めながら旅行目的と関連し、サービスの質を求める消費者の最近の傾向に対応できず、国際競争力を失っている側面をもつことを含めて、旅行需要の構造変化の中で捉えられなければならない。 |
|
旅行需要構造変化の中にあって、国内近距離旅行は観光資源が定型化されず、旅行者による発見型の傾向があり、予想外の未知の世界との出会いが多い海外旅行と同様の性格をもっており、情報化社会の下で消費者の関心を引いている。特に鉄道利用による小旅行は、車窓が楽しめる、車内での自由度もある、等の競争優位性をもつ。 |