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財団が助成する交通関係の調査及び研究の成果を論文要旨でご紹介しています。 |
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助成番号 |
93_1_3 |
研究テーマ(和文)
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高速鉄道網の展開と地域社会の変貌についての経済地理学的研究 |
研究代表者
氏名 |
カタカナ |
イシザワ タカシ |
漢 字 |
石澤 孝 |
ローマ字 |
Ishizawa, Takashi |
研究代表者年齢 |
39 |
研究期間 |
1993〜1994年 |
報告年度 |
1994年度 |
研究体制 |
個人研究 |
研究代表者所属機関・職名 |
信州大学教育学部・助教授 |
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※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。 |
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本研究においては、新幹線の開業という高速鉄道網の整備が、東京周辺の地域都市にいかなる変化を生じさせたかを明らかにすることを目的とした。その結果は、以下の様にまとめられる。 |
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景観的な観点において最も大きな変化をみせたのが、那須塩原駅西口である。新幹線駅の開業は、鉄道に対する新たな需要を開拓するという働きを持っている。黒磯市は、新幹線開業をにらんで那須塩原駅西口を商業地域として用途指定した。しかし、乗降客を立ち寄らせるための魅力のある施設が立地しなかったため、単なる新幹線乗り継ぎのための通過地点としての役割しか果たさなかった。このため、現在は、農地と広大な駐車場が混在する地域となっている。 |
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通勤流動という観点からみると、東京の50〜60km圏内の地方都市においては、周辺地域の中心としての機能をより強めつつあるが、同時に東京へのストロー現象も認められる。さらに東京100km圏に位置し県庁所在都市でもある宇都宮市や前橋市においても、東北・上越新幹線の上野駅開業により、東京へのストロー現象が確認されるようになった。 |
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都市の商業中心性という観点からみると、県庁所在都市クラスのうち、東京の100km圏に位置している都市においては、一般にきわめて高い中心性が認められる。しかしながら新幹線沿線地域では、新幹線駅が立地する都市では東京に並ぶ中心性を維持しているが、そうでない場合には中心性が減少する傾向がみられる。 |
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都市の産業構造という観点からみると、新幹線開業によって東京との関係が強まることによる経済的な影響が、特に金融機能において強くみられる。 |