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財団が助成する交通関係の調査及び研究の成果を論文要旨でご紹介しています。 |
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助成番号 |
92_1_8 |
研究テーマ(和文)
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立法過程における鉄道事業のイメージ |
研究テーマ(欧文)
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The Concept of Railway Businesses in the Diet |
研究代表者
氏名 |
カタカナ |
ナガモリ セイイチ |
漢 字 |
永森 誠一 |
ローマ字 |
Nagamori, Seiichi |
研究代表者年齢 |
43 |
研究期間 |
1992〜1993年 |
報告年度 |
1993年度 |
研究体制 |
共同研究 |
研究代表者所属機関・職名 |
國學院大学 法学部・教授 |
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※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。 |
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立法過程の<関係者>の間に見られる<鉄道イメージ>は、「国会答弁」の形で表出される。その意味で、「国会答弁」は、いわばイメージを運ぶ道具であるとも考えられる。それ以外の形で表出されるケースも多いであろうが、「国会答弁」は(日本の政治以外にはあまり例のない)独特の機能をもつ。 |
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(1)立法過程に関与する人々の間に形成される、狭い意味での<鉄道イメージ>がある。その<鉄道イメージ>が立法過程において、またそれを越えて何らかの役割を果たす。その働きは、鉄道関係諸法の体系の中に痕跡を残す。 |
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(2)鉄道についてのイメージの、潜在的な(未だ明確には規定されない、または意識されない、さまざまな次元での)変容が、まず少数の<関係者>によって、問題として認識される。その問題(の重要度の)認識に対応して、より多数の<関係者>の間で、みずからの<鉄道イメージ>について、共同作業による「見直し」が行われる。この「見直し」によって再構成されたイメージは、問題が政治的に提起されると、「国会答弁」の形で表出される。 |
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(3)<関係者>の範囲は、この共同作業を通じて拡大される。縮小されるならば、作業は成功しなかったことになる。その<関係者>は、みずからのイメージ、したがってまたコンセプトとアイデンティティを、現実化(つまり目に見える形に)するように行動する。現実化の作業には、さまざまな次元での鉄道イメージへの働きかけが含まれる。 |
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(4)「現実化」に動機づけられた<関係者>の行動は、(成功すれば)鉄道イメージ全体あるいは一部分の変容をもたらす。したがって、その変容の結果(であるイメージ)には、かつての(<鉄道イメージ>の潜在的変容が提起した)問題が投影される。 |