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財団が助成する交通関係の調査及び研究の成果を論文要旨でご紹介しています。 |
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助成番号 |
92_1_5 |
研究テーマ(和文)
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鉄道システム技術の重層段階的発展に関する研究 |
研究テーマ(欧文)
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A Study on multi layering phased development of railway system |
研究代表者
氏名 |
カタカナ |
コン ナオユキ |
漢 字 |
今 尚之 |
ローマ字 |
Kon, Naoyuki |
研究代表者年齢 |
28 |
研究期間 |
1992〜1993年 |
報告年度 |
1993年度 |
研究体制 |
個人研究 |
研究代表者所属機関・職名 |
小樽商科大学 商学部 社会情報学科・助手 |
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※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。 |
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1872(明治5)年、新橋−横浜間の開業をその始まりとする日本の鉄道システムの歴史は、現在百二十余年を数えるに至った。この間、鉄道システムは日本各地にそのネットワークを広げ、産業をはじめ文化などを含めた日本の近代化、発展に多大な影響を与えた。そして、現在においても人々の生活に欠くことのできない社会基盤システムの一つとして、日々その役割を果たしていると同時に、将来においてもさらなる発展が人々から期待されている。 |
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本研究は、鉄道システムの発展傾向を(1)段階発展モデルで表現し、(2)モデルから鉄道システムの発展をハードウェア、ソフトウェア両技術の総合関係として考察を行うことを目的とするものである。 |
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本研究では、鉄道システムの総合的な発展指標として表定速度を採用した。この表定速度を北海道の主要幹線5線区および東北本線、東海道本線の計7線区について、鉄道の開通時から現在までの変化を時系列的に調査しデータベース化した。そして、表定速度の変化の傾向を検討した。その結果、表定速度が大きく変化する時期と、余り変化しない時期とが交互に出現していることが把握できた。さらに、その要因を知るために、本研究が対象とした線区について、施設・設備や車両の改良、運用や法制度の変更時期などを調査、データベース化し、それを運用することによって鉄道システム変遷マトリクスを作成した。その結果鉄道システムは、導入→成長→安定の各段階をたどるライフサイクルを繰り返しながら、重層的かつ段階的に発展していることが明らかとなった。本研究では、この発展傾向を鉄道システムの重層段階発展モデルと提唱した。さらに、このモデルを7線区に適用した結果、鉄道システム発展史の時代区分を行うことができ、モデルの妥当性が検証された。 |