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財団が助成する交通関係の調査及び研究の成果を論文要旨でご紹介しています。 |
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助成番号 |
92_1_1 |
研究テーマ(和文)
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都市鉄道と地域開発 |
研究代表者
氏名 |
カタカナ |
タカヨセ ショウゾウ |
漢 字 |
高寄 昇三 |
ローマ字 |
Takayose, Shozo |
研究代表者年齢 |
58 |
研究期間 |
1992〜1993年 |
報告年度 |
1993年度 |
研究体制 |
共同研究 |
研究代表者所属機関・職名 |
財団法人 神戸都市問題研究所・常務理事 |
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※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。 |
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都市交通におけるバランスある発達のためには、新しい認識にもとづく、鉄道振興対策が必要となる。その第1が、資本負担を軽減とされるするため、財政支援を拡充することである。その第2が、自己財源の創造を図ることである。第3が、都市づくり・都市生活の全体と鉄道経営との連携の強化による戦略的経営策による安定化である。 |
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すなわち交通事業の経営には、交通機関を都市づくりとか、都市経営、さらには都市政策のなかにとり込んで、沿線開発と連携してすすめることが、きわめて重要となってくる。このような事例の典型として、神戸市のポートアイランド線の事例があげられる。 |
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鉄道は戦前・戦後をつうじて、生活文化の創造者であった。今日、改めて鉄道を文化の担い手として、甦らせていくことが求められている。しかし、文化創造を鉄道事業者が対帯・関連事業として維持・運営していくには、かなり経営的負担が重いことが決して少なくないのである。したがって今後は官民協力方式による新しい展開が求められる。 |
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第1に、今後、公共事業の活性化(収益化)、民間事業の公共化(負担化)という、従来のパターンを修正する方式での事業展開がのぞまれる。第2に、文化施設・事業の非収益性をカバーしていくための社会システムとして、共益・公益基金のストックを厚くしていかなければならない。そしてシビック−トラストとか非営利団体(NPO)による地域的文化活動の蓄積を、人的・資金的に厚くすることが求められるのである。第3に、鉄道事業にこのような基金を積み立てることによって、鉄道事業のイメージアップを図るとともに、鉄道の経営戦略を、よりポスト産業社会にふさわしい内容へと拡充・高度化していかなければならない。 |
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鉄道事業者が高い理想と卓抜した経営力をもって、共益団体へと変貌し主導力を発揮できるかどうかが求められるのである。 |