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財団が助成する交通関係の調査及び研究の成果を論文要旨でご紹介しています。 |
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助成番号 |
01_4_2_12 |
研究テーマ(和文)
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防災・保全の高度情報通信システム化による鉄道の安全性向上 |
研究代表者
氏名 |
カタカナ |
アベ マサト
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漢 字 |
阿部 雅人
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ローマ字 |
Abe, Masato
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研究代表者年齢 |
33
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研究期間 |
2001〜2003年
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報告年度 |
2003年度
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研究体制 |
個人研究 |
研究代表者所属機関・職名 |
東京大学大学院・助教授 |
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※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。 |
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これまで継続的に建設されてきたトンネル・橋梁などの鉄道の基盤をなす諸施設は、経年劣化に伴い、今後維持管理が重要な問題となりつつある。最近の鉄道構造物での事故や災害事例からもわかるように、これら基盤施設の保全状況は直接安全な運行に大きな影響を与える。しかしながら、保全・維持管理に関わる点検や、災害直後に行われる安全性や使用性の評価と補修戦略の意思決定、あるいは通行可不可の決断などについては、基盤の立地条件、さらに施設自体が多様であることや、一部損壊したものの残存耐力を評価する方法が確立されていないなどの要因から、調査に当たる技術者の勘や経験に基づいて行わざるを得ないのが現状である。このように、客観的基準が存在しないため、危険部所の見落としにつながると供に、不必要な使用中止、あるいは不適切な使用許可の意思決定がなされ、補修戦略が非効率となっている虞が高い。特に、広範囲にわたり大きな被害が想定される直下地震や都市型災害においては、数の限られている経験豊富な技術者が全数を詳細に調査することが事実上不可能となる状況が生じ、一貫した戦略的意思決定が困難となる。
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そこで、本研究においては、最先端の情報・通信技術によって、保全・被災情報や復旧戦略の情報を一元的に管理し、またスムーズに知識を共有することが可能な枠組みを構築することによって、意思決定を高度に支援するシステムを提示することを目的として研究を行った。まず、情報を管理するためのマネジメントシステムの全体像を提示した。次に、インタラクティブなデータの共有・交換を実現するために、BridgeML言語を策定し、その応用システムの実装を行った。最後にデータベース中から有用な知識を獲得するデータマイニングを適用してルールを抽出した結果を示し、意思決定支援への応用可能性を示した。 |