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財団が助成する交通関係の調査及び研究の成果を論文要旨でご紹介しています。 |
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助成番号 |
01_1_2_4 |
研究テーマ(和文)
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情報通信と交通は代替的か?−情報通信の発展が交通に与える影響の実証分析−
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研究代表者
氏名 |
カタカナ |
イマガワ タクオ
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漢 字 |
今川拓郎
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ローマ字 |
Imagawa, Takuo
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研究代表者年齢 |
34
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研究期間 |
2001〜2003年 |
報告年度 |
2003年度 |
研究体制 |
個人研究
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研究代表者所属機関・職名 |
大阪大学大学院・助教授
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※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。 |
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本研究は情報通信と交通の相互依存関係を分析したものである。まず、情報通信と交通に関する理論モデルを構築したが、理論的には、情報通信技術の交通需要に与える影響は情報通信の代替的利用と補完的利用の多寡によって、プラスにもマイナスにも成りうるということが示された。情報通信の代替的利用が凌駕すれば情報通信と交通はトータルで代替的に、情報通信の補完的利用が凌駕すれば逆にトータルで補完的な関係となる。 |
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一方、我が国のデータを使用して計量経済学による実証分析を行った結果は、交通に対する情報通信の代替効果は、二地点間の距離が増すにつれ強まるものの、補完効果が常に代替効果を上回り、情報通信と交通は全体としては補完財になるというものになった。換言すれば、情報通信が普及すればフェース・ツー・フェースが不要になるという見方に対し、現実のデータでは逆の現象が起こっているということである。 |
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この研究結果は、フェース・ツー・フェースの直接的交流の物理的な基盤たる都市に対し、情報通信が補完的な関係にあることを示唆する。都市においては、直接的及び電子的な両面の交流が促進され、情報フローが誘発される傾向が強い。情報通信技術の進展は、より多くの情報通信利用を生み出すと共に直接的交流をも活性化させ、その結果、都市の魅力は一層高まっていく可能性がある。 |
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なお、本研究は2001〜2003年にわたって行われたが、その最終成果は雑誌「経済セミナー」に連載しており、秋には書籍として刊行される予定である。 |