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財団が助成する交通関係の調査及び研究の成果を論文要旨でご紹介しています。 |
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助成番号 |
00_4_2_14 |
研究テーマ(和文)
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超音波センサを用いたコンクリート構造物の非破壊検査システムの開発
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研究テーマ(欧文)
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Development of a Non-Destructive Inspection System for Concrete Structures Using an Ultrasonic Sensor |
研究代表者
氏名 |
カタカナ |
タナカ ショウゴ |
漢 字 |
田中 正吾
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ローマ字 |
Tanaka, Syougo
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研究代表者年齢 |
50
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研究期間 |
2000〜2002年
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報告年度 |
2002年度
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研究体制 |
個人研究 |
研究代表者所属機関・職名 |
山口大学・教授
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※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。 |
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超音波法は、表面とクラックまでの往復音波伝播時間計測によりクラックの有無や位置の計測を行う手法であるが、クラックと表面の間に多重反射波が生じ、これらが重畳し合うため、従来のようにクラックからの第一反射波を抽出する方式では、クラックまでの往復音波伝播時間の計測は不可能である。
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以上のことから、本研究では、超音波センサを用いることを前提に、まず超音波センサの波長がコンクリート中の骨材のサイズに比べて長い場合に対し、超音波センサの物理特性を考慮することによりクラック等からの受波信号波形の予測波形を作り、これと実際の受波信号波形とのパターンマッチングによりクラックからの往復音波伝播時間を計測し、これによりクラックの有無や位置の計測を行う新しい手法を開発した(「多重反射波モデルによる計測法」)
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なお、超音波センサの波長が骨材のサイズに比べてそれほど長くない場合は、超音波は伝播に際し骨材の影響を受ける。つまり、超音波センサにより発信された超音波は途中の骨材に衝突し、散乱を繰り返す。従って、この場合、超音波センサに受波された受波信号に対し多重反射波モデルは適用できず。クラックの検出に際しては異なった計測原理を考える必要がある。そのため、本研究では引き続き、音の伝播機構を考察し、表面とクラックの間に生じる定在波を活用する非破壊検査方式を開発した(「定在波モデルによる計測法」)。つまり、通常の超音波センサを用いる場合、短時間に多数のパルスが発射され、これがトリガ(引き金)となり、表面とクラックの間に多くの定在波が生じる。このときの定在波の周波数がコンクリート表面とクラックの間の距離と一対一の関係をもつことから、定在波の周波数分析を行うことにより、クラックの有無の検出及びクラックの位置計測が可能になるわけである。いずれも、種々のコンクリート構造物の非破壊検査には欠くべからざるものであり、本研究ではこれらの2つの手法について、それぞれ時間領域、周波数領域の方法を研究・開発した。
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また、これらの拡張として、高速検査が可能な「電磁波レーダを用いた非破壊検査システム」(「信号伝播モデルに基づく計測法」)の開発も行った。 |