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財団が助成する交通関係の調査及び研究の成果を論文要旨でご紹介しています。 |
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助成番号 |
00_1_2_2 |
研究テーマ(和文)
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21世紀のアジア地域国際物流における鉄道輸送の役割と課題 |
研究テーマ(欧文)
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Rail Transport in Logistic Services for Asian International Freight Traffics in the 21st Century : It's Roles and Issues\r\n |
研究代表者
氏名 |
カタカナ |
アカツカ ユウゾウ
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漢 字 |
赤塚 雄三
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ローマ字 |
Akatsuka, Yuzou
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研究代表者年齢 |
67
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研究期間 |
2000~2002年
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報告年度 |
2002年度
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研究体制 |
共同研究
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研究代表者所属機関・職名 |
東洋大学 国際地域学部・教授 |
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※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。 |
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本研究は、アジアを主体として国境を越える鉄道輸送網の現状と課題を明らかにして、21世紀におけるアジア経済統合と地域安全保障に資する国際鉄道輸送の役割と課題について考えたものである。最近のアジア地域経済統合化への顕著な潮流に鑑みて、成果は未熟ではあるが、研究テーマ自体は大変に先見的であったと思われる。 |
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本報告書には研究分担者によって執筆された12編の論文・記事が添付されている。各論文の詳細な論点や結論はそれぞれの論文に譲らざるを得ないが、これら全ての論文の基底を構成する認識は以下の7点に要約する事が出来る。
(1)21世紀は地球的規模で民主主義を理念とした国家統治と、市場経済を軸とした広域的経済運営が進展する。
(2)このような局面を迎えつつあるアジア途上国における交通インフラ開発整備の主要な目的の一つは国境を越える地域共生に資する交通インフラネットワークの形成である。
(3)本報告書のいくつかの論文事例に見られる如く、広域越境交通ネットワーク構築は地域の政治的・経済的・社会的要請に応える決定的に重要な手段である。
(4)一国の交通インフラ開発整備はもはや一国だけの国内問題ではなく隣国や地域と共有すべき地域公共財形成であるとの認識転換が必要となる。
(5)地域公共財として再定義される国境を越えた交通インフラネットワークの構築とは、実は地域関連諸国の共通運輸政策の形成をも意味する。
(6)我が国の交通インフラ分野に対するODAは上述した長期的広域的認識(共通運輸政策形成)、各途上国の課題の類型的認識と適切な評価基準の適用、そして我が国のインフラ整備において培われた様々な経験や知見を踏まえて、戦略的に実施することが望まれる。(7)とりわけアジアの広域鉄道ネットワークの形成は、環境制約下において加速度的に増加する域内交通需要に応えるべき地域公共財の形成という視点から、我が国ODAの優先分野とする正当性がある。 |