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財団が助成する交通関係の調査及び研究の成果を論文要旨でご紹介しています。 |
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助成番号 |
00_1_1_1 |
研究テーマ(和文)
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鉄道の復権と環境保全 −ドイツの先進的自治体の交通政策の解明を通して− |
研究テーマ(欧文)
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The instatement of railway and enviromental protection - through the analysing the advanced municipalities' transport policy in Germany - |
研究代表者
氏名 |
カタカナ |
イワタ ヒロシ
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漢 字 |
岩田 裕
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ローマ字 |
Iwata, Hiroshi
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研究代表者年齢 |
61
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研究期間 |
2000〜2001年
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報告年度 |
2001年度
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研究体制 |
個人研究
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研究代表者所属機関・職名 |
高知大学 人文学部・教授 |
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※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。 |
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ドイツの旅客数の推移に関するデータを分析することによって、以下のような興味ある傾向が明らかとなった。(1)全旅客数に占める鉄道・軌道の旅客数(人・キロ)は1965年に21.1%であったのに、1980年には15.2%に低落し1990年にはさらに、11.7%に低落したが、1993年には12.3%に回復した。それ以後ほぼ13%台を維持し続けている。(2)公共交通の旅客数(人・キロ)は、1965年に24.8%であったのに1990年に17.5%に落ち込んだが、1993年に18.3%に回復し以後19%台を維持し続けている。(3)同じ鉄道・軌道の旅客数でも、距離によって旅客数の伸びに大きな格差が生じている。即ち、遠距離旅客数は伸び悩んでいるのに対して、近距離旅客数は絶対数を大きく伸ばし、1990年の全旅客数に占めるシェアを8.0%、1993年に8.6%、1999年には9.5%になる見込みである。
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研究代表者はこのような傾向が何故生じたかの根拠を連邦政府・州政府・地方自治体・交通会社の積極的な投資政策に求めようとした。この課題を解明する過程で、代表者は各々の州・地方自治体・交通会社の積極的な投資政策を支えたのが、連邦政府のGVFGによる「近距離鉄道の整備と助成」資金にあるという結論に達した。さらに、この資金がライトレールの建設に貢献し、地方都市では公共交通の旅客数の伸びにも、環境保全にも、移動制約者の障害克服にも寄与していることについても明らかにした。 |