我が国の名峰「富士山」が、世界文化遺産に登録されてから1年が経とうとしています。本展では、富士山の文化史における交通史の観点から、特に鉄道との関わりについてご紹介しました。
「富士山に一番近い鉄道」富士急行大月線の前身を辿ると、明治後期に開業した馬車鉄道にさかのぼり、富士山北口から富士山を目指した当時の人々に利用されてきました。その後、富士山麓の交通網は急速に整備されてゆきますが、東京から富士山麓へ向かう鉄路は、中央本線を利用し大月駅を経由して富士吉田駅(現・富士山駅)へ着くルートが最短で、昭和9年より直通列車が運行され富士登山や山麓探勝への便宜も図られてきました。
そして、このルートの結節点でもある大月駅は、「日本で一番富士山が美しい町」山梨県大月市に所在しますが、大月市内から富士山の景色が望めることをご存知でしょうか。大月市主催で開催されてきた『秀麗富嶽十二景写真コンテスト』の入賞作品を通じて、いにしえより旅人の目を楽しませ、心を惹きつけてきたすばらしい眺望をご覧いただきました。 |