近年、国をあげて観光に取り組んでいる日本。
こうした施策は、明治政府が外貨獲得のため外国人誘致を試みたことにはじまり、今日に至るまで3度の大きな流れがありました。今回は、その黎明期である明治期から昭和初期までの取り組みに目を向けてみようと思います。
1872(明治5)年に新橋〜横浜間に日本で最初の鉄道が開業し、大正期にかけて日本国内に鉄道網が整備され、地域の交通体系は大きな発展を遂げました。鉄道各社は、敷設した路線の沿線の行楽客誘致を目的に、営業活動やサービス向上に力を注ぎました。大正末期から昭和初期には、屋外レクリエーションや観光旅行が大衆化し、これに関する施設が全国に拡大したため、観光を目的とした鉄道輸送の整備を行うようになりました。
本展覧会では、観光の黎明期における海や山のレジャーと鉄道をテーマに、その頃の様子をご紹介いたします。 |