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第1回企画展示 「日本の鉄道開業」
2003年4月10日〜7月21日
 
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「鉄道との邂逅」
 
幕末になるとオランダから輸入した書物や、欧米に派遣した使節団などが鉄道に関する知識を日本に伝えました。ロシア使節プーチャーチンやアメリカ使節ペリーは、模型蒸気機関車をもたらしました。1853(嘉永6)年に通商を求めて長崎に来航したロシア使節が持参した蒸気機関車の模型を真似て、佐賀藩の精錬方が1855(安政2)年に蒸気機関車模型の製作、試運転に成功しています。
 
佐賀藩制作の蒸気機関車模型<レプリカ>(交通博物館所蔵 原物は鍋島報效会所蔵)
 
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「新橋横浜間の鉄道建設」
 
1869年12月12日(太陰暦明治2年11月10日、以下同じ)、成立したばかりの明治政府は、東京京都間の鉄道建設を決定しました。翌年の4月25日(3月25日)から新橋横浜間の鉄道建設が始まりました。しかし、鉄道が最初から人々に歓迎されていたわけではありません。明治の東京の新名所として錦絵に数多く描かれた高輪付近の海中の築堤は、薩摩藩や兵部省(軍部)が測量や土地の引渡しを拒否したため、苦肉の策として考え出されたものでした。
 
高輪付近築堤工事(交通博物館所蔵)
 
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「鉄道の開業」
 
1872年10月14日(明治5年9月12日)、新橋横浜間の鉄道の開業式が行なわれました。この開業式は、明治政府にとって初めての国内外に向けた大がかりな式典で、明治天皇の臨幸を仰ぎ、横浜、新橋の両停車場で盛大に挙行されました。東京では、式典会場に入れない市民たちも停車場や沿線に詰め掛けたり、停車場構内に山車を引き入れたりして、鉄道の開業を祝いました。
 
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「創業当時の蒸気機関車」
 
創業当時使用された蒸気機関車は10両あり、すべてイギリスで製造されました。しかし、製造会社が5社に分かれていたため、部品の共用が出来ないなど、整備にかなり苦労しました。10両のうち4両は、使用成績が悪く定期使用に耐えられませんでした。また、日本に到着後に運転室の屋根が無いものに屋根を付けたり、機種によって違っていたブレーキ装置を統一するなどの規格化が行われました。
 
この蒸気機関車は(形式150)は、新橋横浜間鉄道で最初に使われた10両の機関車の一つで、一号機関車の名で広く知られています。現在、国の重要文化財に指定され、交通博物館に保存、展示されています。(交通博物館所蔵)
 
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「東海道本線の建設」
 
創業当初、鉄道はあらゆる分野に外国人を雇い入れていました。政府は日本人の鉄道技術者を育てるための教育機関を設立し、そのうちの一つが大阪駅にあった工技生養成所でした。この工技生養成所出身者たちが京都大津間の鉄道建設工事を担当し、完成させました。当時、東京と京都、大阪を結ぶ鉄道の建設は最優先の課題でしたが、資金不足や難工事のため、全線が開通したのは1889(明治22)年のことでした。
日本人だけの手で、1880(明治13)年に完成した逢坂山トンネル(交通博物館所蔵)
 
 
 
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