空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン イメージ

空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン

2024年7月13日(土) - 9月23日(月)

休館日
月曜日(ただし7月15日、8月12日、9月16日、9月23日は開館)、7月16日(火)
開館時間
10:00 - 18:00
※金曜日は20:00まで開館
※入館は閉館30分前まで

Exhibition Overview 展示概要

ジャン=ミッシェル・フォロン(Jean-Michel Folon, 1934-2005)は、20世紀後半のベルギーを代表するアーティストのひとりです。若き日に偶然出会ったマグリットの壁画に感銘を受け、絵画世界に惹きつけられたフォロンは、1955年に移住したパリ近郊でドローイングを描く日々を送ります。フランスではなかなか芽が出ませんでしたが、アメリカの『ザ・ニューヨーカー』『タイム』などの有力誌で注目され、1960年代初頭にはそれらの表紙を飾るようになります。その後、各国で高く評価され、世界中の美術館で個展が開催されるなど目覚ましい活躍をみせました。
色彩豊かで詩情あふれるその作品は一見すると美しく爽やかにさえ感じられますが、そこには環境破壊や人権問題など厳しい現実への告発が隠れていると同時に、孤独や不安の感情が通奏低音のように流れています。
本展は初期のドローイングから水彩画、版画、ポスター、そして晩年の立体作品まで約230点を紹介する、日本で30年ぶりの大回顧展です。デジタル化やパンデミック、戦争など、社会的に大きな曲がり角にある現代、環境や自由への高い意識をもち、抑圧や暴力、差別などに静かな抗議を続けてきたフォロンの芸術を、いま、あらためて見直します。

Highlights みどころ

1 色彩の魔術師

フォロンの作品の大きな魅力は、その美しい色彩にあります。しかし1点の作品に使われる色数は決して多くはありません。限られた色彩を巧みに組み合わせ、グラデーションや滲みなどを駆使することで、奇跡のような美しい世界が創造されるのです。

2 線の職人

プロとしてデビューする前に、ひたすらドローイングに打ち込んでいたフォロン。彼の描く線は伸びやかで躍動していますが、まるでそこに引かれることをあらかじめ決められていたかのように的確で、迷いが少しも感じられません。

3 謎のリトル・ハット・マン

フォロンの作品にしばしば登場するリトル・ハット・マン。今回の空想旅行の同伴者でもある彼はいったい何者なのでしょうか。フォロン自身は「私に似たある誰か」であると同時に「誰でもない」と言っています。じつはよく分かっていないのかも。

4 やさしい悪魔?

フォロンの作品は親しみやすく、爽やかでユーモラス。ついその世界に引き込まれてしまいます。でも油断は禁物です。やさしい微笑みの裏には、静かな怒りや厳しい現実が隠されているかもしれません。

5 矢印と迷宮

フォロンは矢印にとりつかれていました。町中で矢印を見かけると写真に撮り、作品にも至るところに矢印が描かれます。ところがその矢印ときたら、いったいどこを指しているのやら。矢印に従って進むと、かえって迷宮に入り込んでしまうようです。

Sections 章立て

  • プロローグ 旅のはじまり
  • 第1章 あっち・こっち・どっち?
  • 第2章 なにが聴こえる?
  • 第3章 なにを話そう?
  • エピローグ つぎはどこへ行こう?

Information 基本情報

入館料
一般(当日)1,500円 高校・大学生(当日)1,300円
一般(前売)1,300円 高校・大学生(前売)1,100円
  • *中学生以下無料
  • *前売期間は2024年6月1日から7月12日まで、オンラインチケットで販売
  • *障がい者手帳等持参の方は入館料から200円引き(介添者1名は無料)
  • *学生の方はご入館の際、生徒手帳・学生証をご提示ください
チケット購入
チケット購入(オンラインチケット)

[チケット販売場所]

  • *事前にオンラインチケットをご購入いただくと入館がスムーズです
  • *サービス券や会員証のご提示で割引をご希望の方は、美術館でチケットをご購入ください。ただし混雑時は入館をお待ちいただく場合があります
主催
東京ステーションギャラリー[公益財団法人東日本鉄道文化財団]、東京新聞、フォロン財団(ベルギー)
後援
ベルギー王国大使館
特別協力
ベルギー王国フランス語共同体政府 国際交流振興庁(WBI)
協賛
T&D保険グループ