歴史と未来をつなぐ東京駅の美術館 | 東京ステーションギャラリー

吉村芳生 超絶技巧を超えて

会期:2018年11月23日(金・祝)−2019年1月20日(日)

《ジーンズ》1983年、個人蔵

《ジーンズ》1983年、個人蔵

《SCENE 85-8》1985年、東京ステーションギャラリー

《SCENE 85-8》1985年、東京ステーションギャラリー

《新聞と自画像2008.10.8 毎日新聞》2008年、個人蔵

《新聞と自画像2008.10.8 毎日新聞》2008年、個人蔵

《ドローイング 金網》(部分)1977年、個人蔵

《ドローイング 金網》(部分)1977年、個人蔵

《バラ》2004年、みぞえ画廊

《バラ》2004年、みぞえ画廊

【休館日】
月曜日[12月24日、1月14日は開館]、12月25日(火)、12月29日(土)−1月1日(火・祝)
【開館時間】
10:00 − 18:00
※金曜日は20:00まで開館
※入館は閉館の30分前まで
【入館料】
一般(当日)900円 高校・大学生(当日)700円
一般(前売)700円 高校・大学生(前売)500円
※中学生以下無料
※20名以上の団体は、一般800円、高校・大学生600円
※障がい者手帳等持参の方は当日入館料から100円引き(介添者1名は無料)

[チケット販売場所]
東京ステーションギャラリー(開館日の閉館30分前まで)
ローソンチケット(Lコード=31616)、イープラスCNプレイガイドセブンチケットにて取扱い
※前売期間は2018年9月22日から11月22日まで
※東京ステーションギャラリー受付での前売券販売は11月11日までの開館日

【主催】
東京ステーションギャラリー[公益財団法人東日本鉄道文化財団]、毎日新聞社
【企画協力】
アートワン

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超絶技巧? それとも?

新聞紙の上に鉛筆で描かれた自画像。よく見ると、じつは新聞紙そのものが、鉛筆で一字一字描かれている! 吉村芳生の代名詞とも言うべき〈新聞と自画像〉シリーズです。花や風景をテーマにした作品でも、吉村の緻密な描写は一貫しています。一見すると、徹底的に対象に肉迫する超絶技巧の写実主義かと思えますが、吉村の作品は、単純に対象を熟視して描かれたわけではありません。超絶技巧を超える制作のヒミツとは。ぜひ会場で発見してください。

金網は続くよ、どこまでも

これは絵画と言えるのでしょうか?金網だけを延々と忠実に写し取った作品。どこか破れているとか、蜘蛛の巣がかかっているとか、そんな変化は一切なし。ただひたすら金網が続きます。その長さ何と17メートル!なぜ17メートル?じつは、この作品を発表した画廊の壁の長さが17メートルだったのです。もっと大きな会場だったら、おそらくもっと長くなっていたことでしょう。また、自画像シリーズの中には、365点組のものがいくつかあります。これもなぜ365点だったのか、と問われれば、吉村は1年で区切りが良かったから、と答えたことでしょう。意味があるのか、ないのか、よくわからないこの不思議な継続は、吉村作品の大きな魅力です。

2007年、57歳で現代アート・ シーンに再登場した奇跡の画家

1950年、山口県に生まれた吉村芳生は、版画のフィールドで内外の美術展に出品を重ね、いくつかの美術館に作品が収蔵されるなど、高い評価を得ましたが、その評価は一部にとどまっており、決して知名度の高い作家ではありませんでした。1990年代以降は、山口県展や画廊での個展が中心の地道な活動を続けていました。それが一変したのは2007年のこと。吉村が57歳のときのことです。この年、森美術館で開催された「六本木クロッシング2007:未来への脈動」展に出品された作品群が大きな話題を呼びます。その後、各地の美術館で作品が展示され、特に山口県立美術館で開催された個展には多くの観客が押し寄せました。遅咲きの花として、快進撃を続けていた吉村はしかし、2013年に突然亡くなってしまいます。

吉村芳生の全貌を紹介する展覧会

現代アート界の異色の画家・吉村芳生の全貌を62件600点以上の作品により3 部構成で紹介します。日常生活の中で目にするありふれた風景をモノトーンのドローイングや版画で表現した初期の作品群、色鉛筆を駆使してさまざまな花を描いた後期の作品群、そして生涯を通じて描き続けた自画像の数々。膨大な時間を費やして制作された吉村の驚くべき作品群は、写実も超絶技巧も超越し、描くこと、表現することの意味を問い直します。本展は、中国・四国地方以外の美術館では初めて開催される吉村芳生の個展となります。

《無数の輝く生命に捧ぐ》2011−13年、個人蔵

《無数の輝く生命に捧ぐ》2011−13年、個人蔵