八戸三社大祭は、毎年8月1日から3日間に渡って行われている、280年の歴史を持つ青森県八戸市に伝わる祭りです。おがみ神社、神明宮、新羅神社の三社の行列とそれに続いて附祭と呼ばれる山車が八戸市庁前を出発し、長者山新羅神社に向かいます。この山車は、氏子町内などで毎年趣向を競って制作され、現在は八戸三社大祭の華として人気を集めています。今回の公演では、見事な山車で祭りの賞に輝くことも多い八戸市職員互助会が山車の運行をnにぎやかに彩るお囃子を披露。熱気に溢れる祭りの様子を再現してくれました。
伝統と新しさを調和させ、発展してきた八戸三社大祭
八戸三社大祭は、享保6(1721)年に、法霊大明神(現在のおがみ神社)が神輿行列を仕立て、長者山三社堂(現在の新羅神社)に渡御したことに始まります。神明宮と新羅神社が加わり、現在の三社となったのは明治22(1889)年。この頃から、毎年新しく作った山車が行列に加わるようになり、現在の祭りの原型が出来上がったとされています。近年、町の人々の手でつくられる勇壮華麗な山車が人気を集めていますが、三社が行う行列や催しには虎舞など八戸市の歴史ある民俗芸能が加わり、古い文化が伝えられています。古きを守りながら、現代を生きる人々の手でさらなる力を得た祭り、それが八戸三社大祭です。
山車の運行を司る絶妙なお囃子のリズム
八戸三社大祭の山車運行のお囃子には、大太鼓(鋲留)、小太鼓(締太鼓)、篠竹の笛が使用されます。
山車が運行するときに演奏されるお囃子は「通り拍子」と呼ばれ、2~3分ぐらいの曲が繰り返し演奏されます。リズムが速くなると、それは山車が坂道を上がるときや急ぐときの合図。逆に、ゆっくり進むときはやや遅く演奏され、休むときは「休み太鼓」といって小太鼓だけの少し違ったリズムとなります。
お囃子をリードするのは大太鼓の力強い響き。今回、特に会場を沸かせたのは女性の大太鼓奏者。男性奏者に負けない力強いバチさばきで、詰めかけた観客を魅了していました。 |

リズムを刻む小太鼓と大太鼓

これぞお囃子。篠竹の笛の合唱

女性大太鼓奏者に拍手が集まりました |

八戸市職員互助会お囃子組のメンバーは40名で、全員八戸市役所に勤務されています。お囃子組代表の板橋裕幸さんによると、「小太鼓や笛、山車を引っぱる『引き子』は職員の子供たちが担当していますので、祭りの時は総勢150名ほどの大所帯になります」とのことです。 |

職員の家族も参加する大所帯 |

今回の公演では、お囃子の合間に「木遣り音頭」が披露されました。これは、山車が自分たちの町内の家々をまわってご祝儀をたくさん頂いたときに、ひときわ声のよい人が扇を口元にかざして朗々と唄うもの。会場内に唄い手たちの美声が響き渡ると、さかんな拍手が沸き上がっていました。 |

木遣り音頭の澄んだ声が会場に響きました |
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お囃子に胸がワクワク。八戸に行きたくなりました
鈴木和子さん
元々お祭りがお好きで、青森にはねぶた祭りを見に何回も行っておられるという鈴木さん。「今回初めて見ましたが、お囃子を聞いているとワクワクしてきてとてもよかった。今度は八戸三社大祭にも行ってみたくなりました」とのことです。 |
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