全国で唯一、なまはげ太鼓の部活動がある学校です。
地鳴りのような和太鼓とドラの音、そして今にもかみついてきそうな荒々しい形相。オープニングのなまはげ太鼓が始まるやいなや、丸の内北口ドームはおどろおどろしい異様な雰囲気に包まれました。その迫力に満ちたなまはげ太鼓を演じていたのは、笑顔が実にさわやかな秋田県立海洋技術高校の生徒たち。この高校は実習船を有し、海洋に関して総合的に学べることのほかに、全国で唯一、なまはげ太鼓が部活動として正式に認められているという大きな特長のある高校です。サッカーや野球やテニスではなく、なまはげ太鼓を部活動として選んだ部員たちのほとんどは入学式の部活動紹介のアトラクションがきっかけとか。小さい頃、大晦日にやってきたなまはげへの強烈な恐怖の思い出があるからこそ、興味があり、怖いなまはげを演じることができるのだそうです。
面をつけた途端に、泣く子も黙るなまはげに変身!
ステージが始まると、何も知らずにお母さんに連れられてきたお子さんがあちこちで涙ぐんでいる様子が見られました。なまはげの装束はたしかにそれだけで怖い印象がありますが、聞くと、部員たちは
「お面をつけた途端に人格が変わります」 とのこと。なるほど、肩をいからせ、悪い子を見つけたら1人残らず退治してやるとばかりにゆっくり探す様子は全身から怖さがにじみ出ています。怖がっている子供の頭をやさしくなでて、子供をさらに怖がらせ、大人を逆に笑わせるなど、ツボを押さえた演技は実に堂に入ったものでした。
女の子だってなまはげの面をつけてみたい!
なまはげ太鼓を演じる10人のうち、3人は女子部員で、巫女装束をつけています。男子の荒々しいなまはげの装束を「動」とすると対照的な「静」のイメージで舞台にコントラストを与えています。聞くと女子部員もなまはげの衣装をつけてみたいとのことでそれも迫力がありそうです。
演奏が終わって拍手をもらうときと「よかったよ」と声をかけてもらうときが何よりうれしいとはにかみながら答えてくれるなど、素顔は普通の高校生の部員たち。立派に伝統芸能を継承している彼らが、そのことに過剰な気負いを感じることなく、自然体で楽しんでいる様子に、伝統芸能の理想を見たような気がしました。
「なまはげ太鼓部」
本場、秋田県男鹿市に位置する秋田県立海洋技術高校の部活動のひとつ。平成元年に同好会として発足。4年前、全国高校総合文化祭に出場したことで部活として正式に認められる。第25回全国高校総合文化祭・郷土芸能部門への出場をはじめ、高校総体の開会式や郷土芸能のイベントに数多く出場。
Webサイトアドレス http://www.akita-c.ed.jp/~sch11148/
なまはげ太鼓は、年越しの晩に山神の化身として「なまはげ」が来臨し訓戒を与えるというストーリーを表現しています。本公演の演目「真山おろし」は、山から下った「なまはげ」が怠け者や悪者を戒める光景を描いています。太鼓の合奏が徐々に勢いを増していき、やがて基本リズムの下打ちに乗せて怠け者に見立てた太鼓をソロで打ち回しし、最後には迫力満点の揃い打ちで締めくくるという展開です。なお、真山(しんざん)とは男鹿半島のなまはげ太鼓の文化にとって重要な意味を持つ山で、麓の真山神社の祭りはなまはげの習俗と関連しています。(
秋田県立海洋技術高校のなまはげ太鼓部は、真山神社の祭りとは直接関係ありません。)
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かわいい兄弟がなまはげに狙われた!
遠藤りょうへいくん(6才)
遠藤みづきちゃん(4才)
りょうへい君「怖くて肩がこった」
みづきちゃん「赤いなまはげに、いい子いい子してもらった」
ふたりとも「ものすごく怖かった」と、お母さんにぴったりしがみついていました。 |
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仲良し3姉妹もド迫力に感動。
加藤絹子さん
平井悦子さん
伊藤房子さん(愛知県豊橋市)
「躍動的で男性的、素晴らしい」
「TVでなら見たことはあったが、本物をみるのは初めて。感動した」
「こんな若い子がこれだけ迫力のあるものを作り出せるなんて素晴らしい」
伝統芸能に興味のある仲良し3姉妹。3人がそれぞれ、口々に感動を伝えてくださいました。趣味が同じだと仲もよりいっそうよくなりそうですね。 |
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