白山神社の沿革に関する文献としては、菅江真澄の「雪の出羽路 雄勝郡一」に記述がある。その記録から推察すると、松岡の白山(標高288m)は古代から山岳信仰に由来する修験道が盛んであった。白山山頂とそれに連なる峯には蔵王権現堂や白山権現堂などの修験に関連する社が祀られたことが、白山神社が所蔵する棟札からも推測される。当社の祭神は秋田県指定有形文化財の女神像である。祭神の造立年代が鎌倉前期と言われることから、社殿の創建もその頃まで遡ると思われる。
現在の社殿の建築年代は棟札によれば、延享二年(1745)で、構造は入母屋造平入、鉄板葺で、向拝一間をつける形式である。社殿の細部の技法からいっても、棟札の通り、江戸中期頃の様式を示している。平成30年8月8日には湯沢市指定有形文化財(建造物)に指定された。
今回の支援により、縁回りの高欄の修繕や縁板の張り替え、階の修繕を行う。
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