渋川市赤城町に伝わる津久田人形芝居は、三人遣いの文楽系で、江戸時代中期から地元の桜森八幡宮の春季例大祭に奉納されてきた。享保8(1723)年の古文書「八幡宮操人数覚帳」によって成立年代が文献で立証されており、群馬県下で最も早い時期から存在していたとされる。
保有する38体の人形は、胴串と呼ばれる握り部分の「うなづき」に、エンバ式、小猿式、ブラリ式、引栓式と様式が変遷する過程が全て残されていて大変貴重な物である。また、八幡宮境内に残る歌舞伎兼用の人形舞台は、文化8(1811)年建造の群馬県内最古の農村舞台であり、全国でも珍しい船底式舞台が特徴で、人形舞台と人形の頭は、群馬県重要有形民俗文化財に指定されている。
今回の支援により、令和5年10月に開催した「津久田人形芝居櫻座生誕300年祭」において、強風により破損した江戸時代に作られた舞台大幕の新調と古くなり傷みがひどくなった人形「武智光秀」の手を新調する。
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