仙台
諏訪神社修復事業

山形県 白鷹町

諏訪神社は山形県西置賜郡白鷹町大字浅立に鎮座している神社で、創建は慶長17(1612)年、沼沢伊勢が諏訪堰の大事業を完遂すると、神意に感謝し諏訪大社(信濃国一ノ宮)の分霊を勧請して当地の守護神にしたのが始まりとされる。現在の諏訪神社本殿は宝暦12(1762)年に再建されたもので一間社流造、向拝の木鼻や外壁の欄間、妻面、懸魚などに精緻な彫刻が施され、江戸時代中期の神社本殿建築の貴重な遺構として白鷹町指定文化財に指定されている。

拝殿は文久2(1862)年に再建されたもので、入母屋、茅葺、平入、桁行6間、梁間2間、正面1間切妻向拝付、外壁は真壁造り、素木板張、屋根は総茅葺、前面に1間、後補の切妻屋根の向拝が付き、背面に幣殿を突出させて本殿へと繋がっている。昭和11(1936)年から15年にかけての大修理の改変あとがみられるものの、重厚な茅葺屋根を冠した端正、素朴で貴重な建造物である。このほか、例祭に奉納される「蛇頭の舞」と呼ばれる獅子舞は諏訪神社に伝わる大蛇信仰を体現したもので、昭和45年(1970)に白鷹町指定無形民俗文化財に指定されている。

長い年月、この地に鎮座し、地域の人々に親しまれてきた神社だが、経年劣化が所々に見られており、いずれ調査・修繕等を行わなければならないという認識を、町と所有者、保存会等の間で共有していた。その矢先、令和2年7月28日の豪雨により、本殿に深刻な被害が発生。本殿裏山の斜面が崩壊し、それにより本殿自体が土砂に押し出され、土台が損壊し、本殿自体が傾斜しているほか、欄干や飾り彫刻など、各所に破損が生じた。

今回の支援により、豪雨被害を受けた本殿を修復し、当時の建築様式及び文化等を後世に伝えていく。

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