仙台
蔵王鉱山歴史資料館内ジオラマ設置事業

山形県上山市

蔵王鉱山は、蔵王連峰の主峰、熊野岳の南東の山形県側で硫黄の露頭が発見され、明治の初期から採掘が始まったと言われる。戦前の昭和16年から戦後の昭和22年にかけて化繊業界や化学肥料の活況に伴い、硫黄単体の経営から硫化鉱との二本建ての生産体制が確立されたと記されている。これにより、日東化学工業(株)が経営に参画し大きく成長していったが、昭和37年12月24日坑内火災が発生し、止む無く全坑口を密閉し、昭和38年3月31日をもって閉山する事となった。

この蔵王鉱山の歴史を語り継ぐため、平成28年4月に特定非営利活動(NPO)法人「蔵王鉱山の歴史を語り継ぐ会」を設立、会員100名を結集し、鉱山の歴史と文化を後世に伝承するために資料館を建設する取り組みを開始させ、令和元年11月23日仮オープンした。今後は会員より提供された当時の貴重な資料を展示し、当時の様子が映し出されている映像装置の設置、貴重な写真の展示を行うこととしている。

これらの取り組みの一環として、今回の支援で、資料館に当時の精錬所と住民が暮らしていた集落をジオラマで再現し、蔵王における歴史を後世に伝える拠点とするべく、令和2年度内の本オープンに向けて活動している。資料館は蔵王エコーラインの蔵王と上ノ山への分岐点に位置し、周辺の整備をすすめ、蔵王鉱山の歴史を後世に伝えるため、地元小学校の歴史の教育の場として、また将来に向けて山形県の新しい観光資源としての活用も図っていく。

蔵王鉱山歴史資料館内ジオラマ設置事業
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