仙台
大宮寺山門修復工事事業

宮城県加美町

大宮寺山門(だいぐうじさんもん)が所在する薬莱神社は、加美町字上野目大宮にあり、近郷一帯のみならず東北・関東地方より広く信仰を集めている名社である。奈良時代の創建と伝えられ、中世には奥州探題として宮城・大崎地方を治めた大崎氏の庇護を受け、近世に入りこの地を治めた伊達氏からも厚く信仰された。

大宮寺山門は17世紀後半頃の建造とみられており、白木造、茅葺、天井上げの中門風山門で、昭和53年に町指定文化財に指定された。特徴として、通常8本ある門柱が7本しかないことが挙げられ、言い伝えでは、江戸時代に伊達家の殿様に三輪流神楽を奉納した際に、その褒美として門を拝受することになり、大手門のような立派な門を望んだが、武家ではないことから柱を一本抜いた珍しい形の門を与えられたと言われている。なお、現在の薬莱神社の所在地には江戸時代に大宮寺という修験道の寺があり、明治時代に薬莱神社に合祀されたことから、「神社に山門が存在」している。東日本大震災時には門が傾き倒壊の恐れがあったため、平成24年に修復工事を行なった。

今回は、大宮寺山門修復工事として、屋根の修復、屋根構造体の補強、茅葺屋根の差し茅・茅繕い、その茅を覆うように銅板葺仕上げを行うことで、地域の歴史にとって貴重な文化財を後世へ残して行きたい。

大宮寺山門修復工事事業
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