仙台 歌津字寄木「ささよ」保存整備事業
 
宮城県本吉郡南三陸町

「ささよ」は歌津地区の寄木で、毎年小正月(1月15日)の夜に行われる伝統行事です。百数十年の歴史があるとされており、地区の少年(小中学生)全員が参加します。大漁旗を先頭に地区内の各家を門付けし、大漁祈願の唄をうたうもので、家々では訪れる子供たちを待って、ご祝儀等を渡します。全戸を廻り終えると大将(年長の子供)が貰ったご祝儀を全員に分配して行事が終わります。この形態は、船頭が船子に漁獲を分配する真似とされており、こうしたことを身に付けながら子供たちは大人の仲間入りをするのだといわれています。東日本大震災により、用具を保管していた集会施設が流失してしまいましたが、かろうじて残った大漁旗を持ち、今年の1月の小正月も「ささよ」を実施しました。地元の悲願として「ささよ」の正式な行事を復活させるため、用具の整備事業を行います。