盛岡
津波伝承碑修復事業

岩手県釜石市

釜石市を含む三陸沿岸各地は、明治29年明治三陸大津波、昭和8年三陸大津波、平成23年東日本大震災津波など、古くから多くの津波襲来を受け被害を受けてきた。釜石市内には、津波の襲来に関連した石碑が多数建立されており、今回事業を申請する唐丹町本郷の「海嘯記念之碑」は、津波が来た際の避難の喚起や、津波の恐ろしさを後世に伝える大切な石碑として地元で大事にされてきた。しかし、平成23年の東日本大震災で発生した津波によってアスファルト状の銘板が大破し、現在も剥離剥落が進行している状況にある。

「海嘯遭難記念之碑」は、明治三陸大海嘯から33回忌にあたる昭和3年に建立され、明治29年6月15日に襲来した明治三陸大海嘯の記録と、後世の人への忠告、亡くなった方への慰霊の言葉が銘記されている。破損した銘板は躯体となる岩石を刳ったところにアスファルト状の銘板を塗工し銘文を入れるという例を見ない珍しい方法が用いられている。

今回の支援によって、本石碑を修復し震災遺構として保全するとともに、市外からの来訪者や地域住民のための津波伝承ツール、防災意識喚起ツールとして大きく活用し、記憶に残る地域文化遺産として守って行きたい。

津波伝承碑修復事業
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