水戸
大室城跡解説看板設置事業

茨城県阿見町

阿見町のレイクサイドタウンは、町の北部、JR土浦駅の南東約4.8km、稲敷台地の北端、霞ヶ浦湖畔に面した標高約25mの台地上に位置する。平成元(1989)年頃に開発され、台地から霞ヶ浦を眼下に、北西には筑波山を一望できる景観豊かな住宅団地である。しかし、開発から30年以上が経過し、現在は少子高齢化が進み空き家が増えてきた。そこで、地区住民と茨城大学農学部(地域計画学研究室)、阿見町(生活環境課)が連携して「まちづくりワークショップ」を立ち上げ、地域の魅力を再発見しようと試みた。

課題の一つとして挙げられたのが地域の歴史をいかにして伝えていくかということで、多くの住民にとってもこの地こそが自分の故郷だといえるだけの時間を過ごしてきたものの、自分たちの住む地域がどのような歴史を持つのか深く知らないため、地域の歴史を知ることは、地域への愛着をより深めてくれるものと考えた。

この地は、原始古代から平安時代末期頃までは集落が営まれ、室町時代から戦国期にかけては、大室城という城が構築され、この地域と、霞ヶ浦の水上権益を守る拠点となっていたこと等がわかった。当時のこの地域は信太荘と言われ、美濃国から来た土岐氏が治めており、大室城もこの土岐氏に連なる城であったとされている。土岐氏は戦国末期の天正18(1590)年、豊臣秀吉による小田原の陣に際し北条方に付いたが、北条氏の滅亡に伴い、土岐氏も領土を失い、大室城の城としての役割は終わったとされている。

今回の支援では、レイクサイドタウンを開発する際になくなってしまった城跡を、地域の歴史として後世に伝えていくため、地域の魅力向上策について、歴史的な遺産である大室城を、地元住民及び他の地域の方々に広く知ってもらえるよう、その詳細を記した看板を設置することにより、地域の活性化につなげていく。

大室城跡解説看板設置事業 設置箇所の公園
設置箇所の公園
大室城跡解説看板設置事業 公園内の石碑
公園内の石碑
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