水戸
徳川斉昭公肖像画軸修繕事業

茨城県那珂市

徳川斉昭公肖像画軸は、瓜連常福寺の宝物である。瓜連常福寺は1338年(南北朝代)開山で、その二代目(了誉聖冏)が日本の浄土宗の僧侶養成のための基礎を築き、浄土宗第七祖として全国より信仰を集めている。さらに江戸時代には関東十八檀林の一つとして水戸徳川家の菩提寺となり厚く庇護を受けたことにより、二代藩主光圀公始め歴代の水戸藩主より多くの宝物を賜った。それらは国指定重要文化財となった「拾遺古徳伝」と「絹本着色法然上人像」をはじめ、10点を超える文物が県指定文化財となっている。

当寺は徳川斉昭公の肖像画を2幅所蔵しており、水戸徳川家から賜った多くの宝物の中でも、生前と死後に描かれたもので、江戸時代は、生前に肖像画を描くことは寿命を縮める不吉なこととされており、その現存は珍しい。また、斉昭の正室が彼の身を案じて死後まで公開を許さなかったという言い伝えが残されている。

徳川斉昭公肖像画軸は、水戸徳川家に所縁の深いものの一つとして、多くの博物館に展示のため貸与されているが、以前行われた修繕は表装のみであり、裏打ちが無くなり保存に適さない状態となっており、歴史的価値が高いものの修繕としては不十分な状態である。

今回の支援により、当寺に保存されている水戸徳川家九代藩主徳川斉昭公の肖像画の修繕を行う事で、2020年度に修繕した徳川斉昭公肖像画軸の2幅揃っての公開を目指し、瓜連常福寺に受け継がれた宝物を後世に残していく。

徳川斉昭公肖像画軸修繕事業 常福寺
常福寺
徳川斉昭公肖像画軸修繕事業 徳川斉昭公の肖像画
徳川斉昭公の肖像画
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