八王子
台原家住宅の修繕

山梨県 北杜市

台原家は室町時代より台ケ原宿の鎮守・荒尾神社の社家を務め、この神官の住まいとして建立されたのが台原家住宅である。

現在の主屋は元禄13(1700)年に建てられた建物で、江戸中期元禄時代の当地方の建築様式(間取り、構造、仕上等)を用いた手斧造りの板葺上層古民家として建てられ、江戸後期からは社家としてのみでなく、診療所や寺子屋としても活用された。木造平屋建て、切妻、金属板葺(元板葺)、平入、桁行8.5間(15.45m)、梁間5間(9.09m)、間取りは表座敷(8帖・床の間付)、裏座敷(8帖・床の間付)、コタツノマ(8帖)、玄関(6帖)、お勝手、納戸(6帖)、台所(土間)、マチアイ、板間、物置(土間)、街道正面には表門(切妻、桟瓦葺き、一間一戸)、土塀で構成されている。なお、江戸後期に診療室(八帖)、二階座敷(八帖、床の間付)が建て増しされた。台原家住宅は江戸時代中期に建てられた数少ない社家建築の遺構として平成10(1998)年に北社市指定文化財に指定された。

台原家住宅は、この時代の同地方の建築様式を用いた板葺上層古民家であり、320年の時を経たものとしては保存状態が良好だが、文化財として長きに渡り保存するためには必要な修繕箇所が多数ある。

今回の支援により、汚れや剥落が心配される玄関周りの漆喰壁、また損傷が見られる板壁の修繕を行う事で、北杜市に古くから残る建造物を末永く継承していく。

台原家住宅の修繕
台原家住宅の修繕
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