八王子
山車人形「武内宿禰」修復事業

東京都青梅市

毎年5月2日、3日に行われる青梅大祭には、武内宿禰(森下町)、神功皇后(住江町)、神功皇后と武内宿禰(本町)、静御前(仲町)、日本武尊(上町)、の山車人形などがそれぞれ飾られる。

森下町所有の山車及び山車人形「武内宿禰(たけのうちのすくね)」は、人形師の名工・二代目「仲 秀英」(藤原光信) によって江戸時代の末期 嘉永元(1848)年に製作されたと考えられている。明治3〜4年(1870〜1871)年頃神田三河町四丁目より購入し、地元の住吉神社大祭(現在の青梅大祭)に用いてきた。しかし、明治44(1911)年に電線を設置する折、山車の改造が行われ、山車は現在の『屋台型』になり、その時人形も降ろされて民家に飾られるようになった。

旧稲葉家住宅に飾られる武内宿禰は、景行、成務、仲哀、応神、仁徳の五代に仕え偉功があったという伝承上の人物で、人形の周りには山車の二層部分に張られていたあざやかな緋色(ひいろ)の羅紗地(らしゃじ)に、三体の銀色に輝く「蟠龍(ばんりゅう:とぐろを巻いた龍で、地面にうずくまって、まだ天に昇らない龍)」の見事な刺しゅうがある幕が張られている。宿禰は軍装に身を包み、腰には立派な大太刀と腰刀を付け、左手はその腰刀を握り、右手には海水につければ潮水を満ちさせる呪力があるという「満珠(まんじゅ)」を高くかかげ、それをまさに海へ投げ込むような形相の躍動ある姿をしている。

今回の支援により、青梅市に古くから伝わる、山車人形(武内宿禰) を末永く継承していくため、鎧1領4組5点(胴、肩2枚、腿の佩楯、草摺)の修理を行い、青梅大祭などでの展示により、江戸文化の一端を広く一般に伝えていく。

山車人形「武内宿禰」修復事業 山車人形(武内宿禰)
山車人形(武内宿禰)
山車人形「武内宿禰」修復事業 山車人形(武内宿禰)の胴
山車人形(武内宿禰)の胴
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