千葉
小松寺文化財保存整備事業

千葉県南房総市

小松寺は、文武天皇の御代に役小角が草庵を建てたのが始まりと伝わり、養老2(718)年、お堂に建て替えられ、寺名を巨松山(こまつさん)檀特寺とした。天長8(831)年、円仁が山王権現を祀り、天台宗となるが、火災で廃墟となり、延喜20(920)年、安房守住吉朝臣小松民部正壽により再建され、檀特山医王院巨松寺と改めて、七堂伽藍が整い、薬師如来が祀られた。その後、次第に衰退するが、江戸時代には徳川家康や里見義康から寄進を受け、多くの僧が集う寺院となった。しかし、安政元(1854)年、またしても火災により全焼し、檀特山小松寺として再興された。

小松寺の梵鐘は、応安7(1374)年高階家吉と正氏が大檀那となって寄進され、この梵鐘を吊るしている鐘楼堂は、明治21(1888)年に、地元住民の長岡カル氏より寄進された。

100年を超える建造物のため、老朽化に加え、東日本大震災時の大きな揺れなどにより傾斜が確認され、本事業では、支柱及び土台を中心に修復を進めたい。

小松寺文化財保存整備事業
[閉じる]