千葉
県指定「神野寺本堂」屋根修復事業

千葉県君津市

鹿野山神野寺は推古天皇6(598)年、聖徳太子によって日本で4番目に開かれた、関東最古の名刹(古寺)であり、関東三大修験道(鹿野山、筑波山(茨城)、榛名山(群馬))の一山である。また、近隣の九十九谷展望公園からの景観は多くの文人に愛され、「ちば眺望100景」にも数えられる。

神野寺本堂は、高さ21m・間口・奥行きともに10間(10間堂)ある大堂で、柱の直径53p、重層入母屋造りで、建物全体は朱塗りで、内陣・外陣に分けられている。内陣は格天井で、一面に蓮の絵が描かれ、その中心には、目を奪うばかりの大厨子がある。外陣の天井に描かれている天女は、狩野探信(探幽の長男)の筆で、後扉の四天王(持国天・広目天・増長天・多聞天)は狩野元信の筆である。本堂内陣の大厨子の中には、聖徳太子一刀三礼仏である本尊の薬師如来と軍荼利明王(共に高さ3.6メートル)の二尊がひとつの厨子に並列して安置されており全国でも珍しい。

同寺は、令和元(2019)年9月の房総半島台風により、国指定重要文化財「表門」の完全倒壊をはじめ、「本堂」の屋根部分、「奥の院」、その他の諸堂など全体的に被害を受け、屋根の銅板・金具等が剥がれ落ちた。現在も下地の木地がむき出しの部分があり、このままの状態では、破損箇所から雨水が浸水し、建物の腐朽が進行、拡大するおそれがある。

今回の支援では、台風で大きな被害にあった、本堂屋根の銅板の葺替え等を支援し、内部環境を被災以前の状態に復旧することで、地域の貴重な文化資源の保全に努めていく。

県指定「神野寺本堂」屋根修復事業
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